最晩年の楳図かずおが自ら語り、聞き手の読売新聞記者が可能なかぎり裏付け調査をおこなった〈決定版自伝本〉。本書で初めてくわしく語ったと思われる新事実、〈父母が再婚同士〉〈母は父の小学校教師時代の教え子〉〈4つ上の姉とは産みの親が違う(父の連れ子)〉など。本当の母ではない〈へび女〉とは一体何者かという問いに答えたのは先生が映画監督を務めた「マザー」だが、そのモチーフの秘密を知り魂消るほど驚いた。あと一番のお気に入りキャラが猫目小僧という発言も。デビュー前の肉筆回覧誌「漫画展覧会」から、貴重な作品のカラー図版を収載。森からやってきて森へと還った先生。楳図作品は世界遺産となり今後も我々を導き続ける。