官能的で情熱的で、哀愁をはらんだその歌声が何よりも強烈で、感情の機微を見事表現し、歌に対する誠実な姿勢がはっきりと感じ取れる歌唱は何度聴いても美しい。MPBの伝統とあらゆるブラック・ミュージックへのリスペクトを自身の音楽の根幹にした多様性に富みまくったサウンドで、ブラジルポップ・シーンを、そして国内クィア・アーティストを牽引する若き俊英リニケルが昨年に配信リリースし、国内最高峰のミュージック・アワードを総なめにしたソロ名義の2作目。アマーロ・フレイタスやアナヴィトリーアといったゲスト陣もそれぞれの魅力を発揮し楽曲を鮮やかに彩っている。
リニケル(Liniker)『CAJU』MPBとブラックミュージックを根幹にしたサウンドでブラジル音楽を牽引する若き俊英クィアアーティスト
