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ピアノ作品にR&B志向、多彩に花開く音楽世界

――ライナーにもありますけれど、歌がある音楽とない音楽の間を行ったり来たりしていると思うんですけど、今はどういうモードですか?

「今はどっちも作りたいと思っていまして、もうすでに2枚目のソロアルバムの構想もあるんです。でも、それと並行して、大山田の方でピアノだけの曲を日々作っています」

――サティみたいな?

「そうです、まさに。ただ私はピアノが弾けないので、私が打ち込みで作曲したものをピアニストの方に弾いてもらうという、ちょっと変わった形で進めています」

――じゃあいろいろやりたい状態なんですね。いろいろやりたいし、いろいろできるっていう風になってきたと。じゃあ今回のアルバムの位置づけは? 出発点なのか経過点なのか、あるいは集大成なのかもしれないし。

「ずっと悩みながら音楽を作ってきた時期の集大成っていう感じかもしれないです」

――これからは楽しくやれそうですか?

「楽しいですね、すでに(笑)。バンドもやっていまして。The Halcyonという」

――あれは歌ものですよね? じゃあ、The Halcyonで歌ものをやりつつ、大山田で歌のないのもやりつつ、ソロの続編的なものもまだ期待できる?

「はい。実はソロ用の曲がもう数曲できていて。アレンジも、昔よりもできるようになったみたいで。次の作品の方向性も決まりつつありますね」

――でも、股下89と大山田とソロを同じ人がやっているっていうのはなかなか面白いですよね。自分の中にいろんな引き出しがあって、その都度開けているって感じなんですね。

「そういうイメージが近いかもしれないですね。いろんな音楽を聴くたびに自分の中でフォルダみたいなのができていって。で、そのフォルダのなかに一定の思いが貯まった時にプロジェクトとして立ち上げるというか」

――最近だとどんな音楽を聴いて、どんなフォルダができたと思いますか?

「ヒップホップ、R&Bをかなり聴いていまして。最近のR&Bの感じでトラックを作りたいなって思っています。次のアルバムに入れるつもりの曲は、そういう雰囲気のものが多いですね」

――オルタナティブR&Bみたいな?

「うん、そんな感じです。フランク・オーシャンが特に好きで。ザ・ウィークエンド? ああー、あれが好きかどうかっていうのは、結構分水嶺になりそうというか……。私はかっこいいと思うけど、あの人はポップスターじゃないですか。あそこまで(ポップには)やらないかなあ(笑)。それよりは、もうちょっと内省的な感じを出したいというか」

――なるほど。安島さん、フルシアンテ然り、内省的で陰りのあるものが好きなのかもしれないですね。

 


RELEASE INFORMATION

安島夕貴 『第一音源集』 造園計画(2025)

 

リリース日:2025年6月18日(水)
品番:Zouenkeikaku-046
フォーマット:配信/CD
販売価格:3,000円(税込)
Streaming:https://ultravybe.lnk.to/firstalbum

TRACKLIST
1. コミュニケーション
2. ドローイング
3. 骨拾い
4. おはよう阿片
5. 増殖
6. オールディーズ
7. 黙示録
8. エンドロール

 

LIVE INFORMATION
安島夕貴『第一音源集』Release Party
-原野商法#7-

2025年7月6日(日)東京・下北沢 LIVEHAUS
開場/開演:12:00/12:30
出演:安島夕貴/井手健介/狩生健志
Adv./Door:2,500円(+1D)/3,000円(+1D)
予約:https://forms.gle/ezfhU24RbQgbZ5c59

 


PROFILE: 安島夕貴
オルタナティブロックバンド股下89のボーカリストとしてキャリアをスタートさせる。その後、大山田大山脈名義で電子音楽家としての活動を開始し、3rdアルバム『Zolpidem』は〈RECORD STORE DAY〉でのリリースを経て話題となり、電子音楽シーンにその名を広く知らしめた。2024年にロックバンドThe Halcyonを結成。バンド内ではソングライティングの中核を担いながらも、大山田大山脈としての制作活動も継続している。そして、なおも尽きることのない創作意欲に導かれ、シンガーソングライター安島夕貴としての活動を本格的に始動させた。

造園計画とは
国内のあらゆるシーンから断絶した地点に、ひと掴みのアティテュードを造庭するインディペンデントレーベル、造園計画。エクスペリメンタル、宅録、即興、ポストパンク、ニューエイジなど、あらゆるジャンルを横断しているようで始めからそんなものとは無縁なそれぞれの〈実感〉だけを拠り所とする。これまでに帯化、大山田大山脈、野流、揚、fyyy、織川一、安島夕貴、円午のリリースを手がけている。帯や水引で装飾されたカセットテープ、マルチプル仕様の8cm CD、河原で拾った石(DLコード付属)など、フィジカル制作のプロダクションにも独特な熱量で打ち込んでいる。また2024年にはディスクユニオンでポップアップショップを開催し、店内に竹垣や木魚を設置するなど、その熱量はとどまるところをしらない。