ガムランにしてガムランにあらず。新しいかどうかと言うよりは無二。総勢25名からなるガムラン楽団が西洋的パーカッションやドラム、ある種の構築理論とまぐわって時にリスナーを金属特有の瞑想的倍音で誘眠させ、時に緊張感強いる乱打で魂を引き抜く。儀式音楽的なループはなく、曲によってはアヴァンギャルドなジャズ・ロックのようでもあり打楽器による現代音楽のようでもある。リスナーは緩急の間を右往左往しながらも、その構成美、独特な即興性、各楽器の異なる調律による不可思議なハーモニーから新たな音楽的発見、快感を見つけるのだ。