
絶妙な昭和感とかわいさが融合した“DING DONGください”
――それではこのあたりで最新ミニアルバムの『DING DONGください』について質問させてください。タイトル曲のセールポイント、もしくは聴きどころを教えていただけますか。
太良「やっぱりサビがキャッチーということでしょうか。前作『愛のバッテリー』からちょっと大人の女性になった感じもあるよね」
かのう「うん、そうだね。しかも思っていたよりもダンスパートがあって、その点も魅力になっているのかな?」
MAKOTO.「初めて聴くと〈はてなマーク〉が頭に付く歌詞にも注目してください(笑)。〈今、なんて言ったの?〉と思うような、引っかかるフレーズが多めなんですよ」
――日本語の歌詞を書いたのはヒャダインさん。彼ならではのワードセンスですよね。
MAKOTO.「そうなんです。普段使わないような言葉がたくさん入っているんです」
太良「例えば〈甘いフェロモン ムンムンよ〉、〈甘い言葉で シュワシュワよ〉って、日常生活の中で絶対言わないですよね(笑)。でも歌ってみると絶妙な昭和感が漂ってくる。そこがいいんです」
かのう「いやらしさがないのもいいよね」
MAKOTO.「それは私たちが歌うからかもしれないよ。だって私たち、かわいいから(笑)」

名曲を自分なりに解釈する難しさに挑んだソロカバー曲
――カップリングのソロ曲も魅力的です。いずれもカバーソングですね。
かのう「私が歌った“瑠璃色の地球”(1986年)は地元・福岡の大先輩である松田聖子さんの曲です。今の自分の気持ちを重ねられる歌詞とメロディラインだったので選びました」
――「トロット・ガールズ・ジャパン」の関連公演ですでに披露している曲なので、レコーディングはスムーズだったのではないでしょうか。
かのう「いや、そんなことは全然なかったです。実はキーを原曲よりちょっと上げているんですよ。そのほうが私の声に合っていて魅力を引き出せるので、がんばってくれと言われて。それでだいぶ練習しました。おかげで今は楽に歌えます」
――MAKOTO.さんの“涙の太陽”は安西マリアの歌唱で1973年に大ヒットした曲です。
MAKOTO.「周囲の方々が思う私のイメージって、この曲に近いんじゃないかなと思ってセレクトしました。とはいえ、誰もが知っている歌なのでアプローチの仕方が難しかったです。あと大変だったのがダブリング(同じフレーズや音色、歌を重ねる手法)。私の声を重ねるとピッチがまったく同じで変な感じに響いてしまうんです」
――ダブリングは声の微妙なズレを生かすためのものですからね。
MAKOTO.「そうなんです。ズレが面白いのにまったく同じ。だからレコーディングスタッフが意図的に少しずらしたバージョンにしてくれたんです」
――言い換えれば、それだけ歌が正確だということですよね。
MAKOTO.「ありがとうございます!」
――太良さんは鈴木聖美 with Rats&Starの“TAXI”(1987年)をカバーしていますね。どういう経緯で決定したのでしょうか。
太良「この曲に関しては以前から私のボーカルに合うんじゃないかと言われていたんです。それでセレクトしました。鈴木聖美さんは低音で太い声ががーっと前面に出る。私の場合、そのスタイルを意識しすぎずに違う歌い方も混ぜてみたいと思ったんです」
――オリジナルに寄せすぎてはいけない、と。
太良「はい。あと、歌詞の内容も選曲する上で基準のひとつでした。“TAXI”の世界観っていいなと思ったのも選んだ理由です」
――あさ陽さんは杏里の“オリビアを聴きながら”(1978年)をセレクトしていますね。
あさ陽「もともと歌いたいなと思っていた曲だったんです」
――この曲はメロディに起伏があるので、歌いこなすのが難しそうですね。
あさ陽「難しかったです。歌詞を自分なりに解釈してレコーディングに臨んだんですが、あるフレーズを穏やかに歌ってみたら〈もうちょっと強く出して〉と言われたりして、表現のバランスが途中で分からなくなってしまったんです。でもめげずにがんばった結果、あのようなバージョンに仕上がりました。
あとは英語。私、発音が下手なんです。おまけにピッチも難かしくて」
――先ほど太良さんが言っていましたが、ただ単に原曲のように歌えばいいってわけじゃないですよね。
かのう「そうなんです。自分なりのテイストを入れないといけないのが難しいなって思います。原曲をそのまま歌うと、カラオケのお店で歌っているようになってしまいがちです。だからカバーソングをリリースするのは本当に怖い!」
太良「同感です。オリジナルと比べられちゃうのは本当に怖いですよね」