WHO KiLLED IDOL? -SiS 消滅の詩-
あの夏がやってくる――就活ドキュメンタリーの問題作がDVD化!
昨年9月の再始動から着実に活動を続け、思わぬお騒がせぶりも発揮しながら先日のワンマンでメジャー・デビューを発表したばかりのBiS。グループの再始動に至るそもそもの経緯や顛末は、最終オーディションの合宿審査に密着していたAV監督/ドキュメンタリストのカンパニー松尾によって正統派のドキュメンタリー作品「劇場版 BiS誕生の詩」としてまとめられましたが(現在はBiSのシングル“SOCiALiSM”初回盤に付いたDVDなどで観ることができます)、そのオーディション落選組から誕生したグループが公式ライヴァルとして設定された4人組=SiSであり、彼女ら落選者たちを追いかけていった結果、エリザベス宮地監督による奇妙なドキュメンタリー作品として形になったのが「WHO KiLLED IDOL ? -SiS消滅の詩-」です。昨年の9月25日、お披露目ライヴ当日の夜に〈結成責任者がグループ活動に対して重大な背任行為を行ったため〉解散を発表したSiSの存在は一部で話題となり、そのうち3名は数か月後にGANG PARADEに加入したことで、結果的にはグループの勢いを蘇生させる奮闘を見せていくことに。そして……今年に入ってからその舞台裏(表?)が映画として劇場公開されると、多くの人たちを何とも言えないゾワゾワした気持ちにさせたのであります。
そんな問題作がこのたび「WHO KiLLED IDOL? -SiS消滅の詩- ディレクターズカット」としてDVD化されました。本編は就職活動の一環としてオーディションを手伝っていた学生インターンの目線も借りつつ、さまざまな目線から舞台裏を切り取ったもの。映っているものがあるということは映っていないものもあるという当然の現実を思い知らされるはずで、人によっては時としてフェイク・ドキュメンタリーを観ているように錯覚するかもしれませんが、いわゆるアイドルの栄光と苦労を追った作品とは趣がまるで異なる、全社会人向けの作品とも言えましょう。
なお、今回のソフト化にあたっては、Go For Itの精神で駆け抜けたSiSの唯一のライヴの模様もフル収録。さらには今年に入ってから追加撮影も行い、重大な背任行為を行ったとされる結成責任者のその後の姿を捉えてもいます。まあまあ、そこで何となく救われるという人も多いかも……。