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“さまpake”があれば2ndアルバムは大丈夫だなって

――続く“nai-わ”はハネるリズムと歌詞の響きが小気味よいナンバーですね。

マナミ「リズムが旨味になっているメロディーに挑戦してみたくて。最初はメロができて、そのあとドラムとベースを加えたワンコーラスぐらいのデモを持っていって、そこからまたオケとかをいじりながら作っていきました」

オオスカ「“nai-わ”は曲の持っている良さみたいなのがデモの時点ではっきりしてたんです。だけど最初デモを聴いた時はちょっと小難しかったんですよね。なのでアレンジはもっとわかりやすくしたというか、歌モノっぽい作り方でどれだけNikoんらしい音楽に寄せていけるか、みたいなことはすごく考えました」

――その“nai-わ”からの流れで“靴”“dried”と続きます。どちらもポストロック的なアプローチですが、“靴”は歌が主体で、ピアノも入った“dried”はサウンドをメインとした楽曲のように感じました。

マナミ「“靴”は元々弾き語りでやっていた曲なんですけど、その原型からメロだけ残して、コード進行とかはガラッと変えた感じです」

オオスカ「これも“fragile report”と同じで制作の最後のほうにできたので、まだやっていない感じの曲にしたかったんです。それまでに出揃っていた曲は、悪い意味ではなくて何か〈音源が想像できる曲〉が多いなっていうか。そういったことも踏まえて、“靴”はサウンドの面でいうと割と削ぎ落としていった感じですね。ドラムとベースとギターのアンサンブルだけでも成立するような、歌も含めて全部で主役となるような曲にはしたいと思っていました。

“dried”は最初、歌とピアノとドラムとベースだけで成立させていたんですよ。そこに最後の仕上げのような感じでギターを足していきました。他の曲は割とギターが骨組みになっているんですけど、この曲はリズムやピアノのコード感とかが骨組みで、ギターは肉付けという感じ。あとクラシック的な捉え方というか、1曲で物語を描き切るような感じにしたいと思って作ってました」

――“さまpake”はすでにライブの定番曲とも言えるダンスロックな曲ですが、マナミさんはどのようなイメージで作られましたか?

マナミ「岡村靖幸とか、80、90年代ぐらいのディスコっぽいノリというか、〈英詞が乗っていそうなメロディーを日本詞でやる〉っていうことをずっとやってみたいと思っていて。尚且つ、サビは一度聴いたら絶対に覚えられるような単語を入れたかった。アルバムでは“さまpake”が一番最初にできた曲なんですけど、この曲があれば2ndアルバムは大丈夫だなって思いましたね」

オオスカ「“nai-わ”とかは削ぎ落としていくような作業だったんですけど、“さまpake”はちょっと薄味な成分をすごい激強にしたというか(笑)。“nai-わ”と“さまpake”はダンスチューンって括りでは近いかもしれないけど、“さまpake”はジューシーで肉厚なダンスビートという感じですね。リズムも1曲を通してずっと一緒で、いかにワンループでカッコいい曲を作れるか、というところでけっこう攻めました」

 

古き良きハードロックをNikoんとしてどう解釈するか

――グランジ感のあるハードな“とぅ~ばっど”も、これまでNikoんにありそうでなかった楽曲だなと。

オオスカ「この曲はもうめちゃくちゃ俺!、みたいな感じなんですよ(笑)。 Nikoんではそれまで封印してたわけじゃないですけど、やり過ぎなくらい自分を出したものを1曲作ってみようかなと思って。

それこそジャック・ホワイトとか、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジとかもそうですけど、そうした古き良きハードロックを自分らでどう解釈するかみたいなところに焦点を当ててみたんです。一番の肝は〈俺が100%作って、俺が歌わない〉ってところですね。途中のセッションパートは、ひつまぶしみたいに上だけじゃなくて下のほうにも鰻があったみたいな感じで、1曲の中にもう1つインパクトのあるセクションを設けてみました」

マナミ「“とぅ~ばっど”は歌を考えるのが一番難しかった……この夏のツアーで結構歌って、ようやくちょっとわかってきたぐらい(笑)」

――“グバマイ!!”は疾走感のあるロックチューンで、マナミさんがボーカルを担う今作を象徴する1曲でもあると思います。

マナミ「アルバムの曲が出揃ってきた時、1つ必殺技じゃないですけど、わかりやすい曲があったほうがいいよねって話になって。それで作り始めたら、オオスカとバンドを組む前に歌モノのガールズバンドをやっていたんですけど、そのバンドで活動して得たものを全開にしたような曲ができたんです。正直Nikoんでやる曲かどうかもあんまり考えないで作った曲ですね。多分このアルバムの中で一番デモの原型が残ってる曲だと思います」

オオスカ「この曲はライブでやるまで結構怖かったんですよ。割と今までのNikoんのイメージとは違う曲なんで。ただ、すごいぺやんぐっぽい曲ではあったので、それをわかってもらうための曲ですね」

――ラストの“(^。^)// ハイ”は冒頭のゴスペルクワイアが印象的で、アルバムの幕を閉じる曲としても新鮮に感じました。

オオスカ「確かこの曲は一緒に作ったというか、いつもはベース、ドラム、ギターぐらいをある程度整えて、それに歌を入れてもらうような流れなんですけど、“(^。^)// ハイ”はその場で話し合いながら作っていきました。ドラムだけ打ち込んで、そのあとは色々と探りながら作り進めていったというか。そういう意味では一番遊んだ曲かもしれないですね。

それこそ2ndアルバム自体〈歌〉が俺の中のテーマとしてあったんです。この曲はコーラスに合唱団の声が入っているんですけど、それメインで考えていたところはあります。合唱団って言うなれば歌の最高峰みたいな感じだと思うんですけど、それを入れることで〈歌〉というテーマが伝わりやすいかなって。最後に置いた理由としては、アルバムのコンセプトを最も表現している曲でもあるので、他の曲がいろんな方向に伸びていく枝だとしたら、“(^。^)// ハイ”はそれらを支える太い幹みたいな感じですね」