DREAMS NEVER END
過去と未来が繋がった、日本の新世代オルタナ

 ここ数年、日本のオルタナ新世代がおもしろいと囁かれてきたが、2025年はその胎動を多くのリスナーが感じた一年になったのではないか。アイコニックな存在だったのは、やはりkurayamisaka。2022年のEP『kimi wo omotte iru』で注目を集めた5人組は、〈フジロック〉でのRED MARQUEEへの出演を経て、ファースト・アルバム『kurayamisaka yori ai wo komete』を発表。バンドがひとつ上のステージに向かったことを印象付けていた。

 そのkurayamisakaの阿佐美倫平がメンバーに名を連ねるyubiori、みずから運営する調布のスタジオREIMEIがインディー・バンドの磁場になっているSAGOSAIDらも今年、優れたアルバムを発表。エモやパンクの地下シーンを出自に持ちながら、かつて下北系/残響系などと呼ばれた日本のギター・バンドにも傾倒し、そこにインターネット・カルチャー以降のヴィジュアルや世界観をナチュラルに反映させる彼らは、極めて2020年代的な空気を醸している。

 2000年代のJ-Rockが再評価されるなか、結成25周年を迎えたART-SCHOOLが初期を意識した新作をリリースし、さらに多くの盟友が参加した彼らのトリビュート・アルバムが作られたことは、そうした気運の象徴と言えるだろう。先鋭的なアンダーグラウンドを紹介してきたAVYSSの監修による、DTM新時代のトラックメイカーたちがASIAN KUNG-FU GENERATIONやくるりをカヴァーしたコンピ『i.e』も新旧の〈オルタナ〉を接続させた試みとして意義深い。

 伸びてゆく歌心が大器を予感させるHammer Head Shark、ジャジーでフリーキーな演奏が特徴のKhaki、苛立ちをキャッチーに鳴らす板歯目など、それぞれのバンドは多様なスタイルで独自のサウンドを探求している。まずは個々の作品を楽しみつつ、うねりを見せるこの大局を渦中で体感したい。