結成以来60年以上大阪で活動を続けて、数々の名演を届けてきた〈テレマン室内オーケストラ〉。これを母体にしたバロック楽器アンサンブルによる“四季”の新録音。欧州のアンサンブルの先鋭化に対抗する形での演奏は独自の魅力を放つ。ヴァイオリン奏者の浅井咲乃氏の演奏は大阪の土地柄も感じさせるおおらかさがあり、躍動感に満ちた“四季”を表現。特に“冬”第2楽章の演奏は聴く者を包み込む温もりがある。自分の信じる音楽を追求していることが素晴らしい。浅井氏は過去にこの作品をモダン楽器でも録音していて、モダン・バロック両方の楽器で録音した点も特筆される。