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ⒸBig Brother Recordings

ツアーを通して同じセットリストであることのメリット

同じセットリストを続けているからこその楽しさは他にもあった。たとえば “Cigarettes & Alcohol”の開始時は全員が後ろを向いてポズナン(マンチェスター・シティのサポーターたちが後ろを向いて肩を組む、お約束の儀式)をするのがツアー初日からの常で、リアムも今回〈椅子があるけど後ろ向いて肩を組んで〉と呼びかけた。私の右隣に1人で来ていた10代後半くらいの日本人男性は全てのライブの流れを理解していたようで、左隣で少し戸惑っていた男性にも彼が声をかけて一緒にポズナンができた。そう、こういう祝祭空間はみんなで楽しんだほうがいい。

また、“Live Forever”では普段は途中から亡くなった方の映像が流れることが多いが、25日の東京ドーム公演では無し。一方で、〈ここに来れない人たちに捧げる〉というリアムの言葉でこの曲が始まったからこそ、日本の“Live Forever”は特別なものになったように思う。その土地ならではのこういう〈違い〉が、素敵な記憶として残っていく。

ⒸBig Brother Recordings

実際、今回の日本公演はオアシスがやってくるまでの期待感が美しく積み上がっていった様子も記憶に残る。ことにオアシスの公式ショップが開かれたMIYASHITA PARKは、他にもオアシスに関連したショップ群や、セカンドアルバム『(What’s The Story) Morning Glory?』のジャケット写真を模したフォトスポットなどがあり、デジタル広告ではひっきりなしにオアシスの映像が流れ、モール全体がオアシスの聖地となった。

SNSでは〈#lookback25〉企画をはじめ多くの人がオアシスへの想いを綴り、彼らの来日への期待感がさらに高まった。また、事前に公式ショップなどでTシャツなどを購入できたことから、東京ドームに足を運んだほとんどの人々が何らかのオアシスグッズを身につけていた。本当に美しかった。

来日の日程が発表された1年前から、誰もがオアシスと共にあった自分の人生や、オアシスを彼ら不在の期間に発見したからこその期待感などを思い出すことで、オアシスにまつわるそれぞれの物語が円環状になっていった。その想いがピークに達したのが、今回の東京ドーム公演だ。

 

オアシスはあの頃の自分たちを自分たち自身で更新し続けた

アンディ・ベルやゲムはすでに我々が知っている通りこの夜も素晴らしく、リアムのソロにも参加していたキーボードのクリスチャン・マッデン、およびボーンヘッドの代役であるマイク・ムーアもごく自然に馴染んでいた。また今回のツアードラマーのジョーイ・ワロンカー(アトモス・フォー・ピースなど)が曲に合わせて着実に、それでいて笑顔で力強く演奏している姿も印象的だった。何一つ損なわれていない音楽空間で、期待以上のリアムの歌声が響く。その結果、彼らの曲たちがまるで命そのものを祝福する音楽になっていく。

ⒸBig Brother Recordings

誰もが知っている“Whatever”、“Live Forever”、“Rock ‘N’ Roll Star”で本編が終わり、アンコールに入ると“The Masterplan”、“Don’t Look Back In Anger”、そして “Wonderwall”。よくぞこれほどの曲たちが生まれてきたなとつくづく思う。最後、まさしく祝祭感に満ちた“Champagne Supernova”でリアムは、右手にマラカス、左手にタンバリンでそれぞれを打ち鳴らしながらリズムを取っていた。そんなことをする人を見たことがない。しかも曲の後でリアムは、マラカスもタンバリンも同時に頭に乗せようと挑戦し始めた。感動した。私たちの予測をいつも超えていく、ロックンロールスターはこの通り健在だ。

ⒸBig Brother Recordings

リアムは無事に2つの楽器を頭に乗せた後、両手を広げて観客を抱きしめるような仕草をした。そして頭に乗せたままノエルの方に歩み寄っていき、途中で楽器は落ちたが気にせず兄にハグをした。絶対に終わってほしくないライブが終わる瞬間が、これほど笑えて明るく楽しいとは。まごうことなくオアシス。さすがオアシス。この夜ずっと、オアシスはあの頃の自分たちを自分たち自身で更新し続けた。本当に凄まじいバンドである。

 


SETLIST
SE. Fuckin In The Bushes
1. Hello
2. Acquiesce
3. Morning Glory
4. Some Might Say
5. Bring It On Down
6. Cigarettes & Alcohol
7. Fade Away
8. Supersonic
9. Roll With It
10. Talk Tonight
11. Half The World Away
12. Little by Little
13. D’You Know What I Mean?
14. Stand By Me
15. Cast No Shadow
16. Slide Away
17. Whatever
18. Live Forever
19. Rock ‘N’ Roll Star

ENCORE
20. The Masterplan
21. Don’t Look Back In Anger
22. Wonderwall
23. Champagne Supernova

セットリストのプレイリストも公開中!:https://OasisJP.lnk.to/tokyoday1

 

EVENT INFORMATION
Oasis Live ‘25 Tokyo Fan Store

開催期間:2025年10月11日(土)~2025年11月2日(日)
※開催期間中はオアシスがMIYASHITA PARKを完全ジャック!
営業時間:11:00~21:00(予定)
開催場所:MIYASHITA PARK内 1階〈Park in Park〉
住所:東京都渋谷区神宮前六丁目20番10号他
入場料:無料
※入場は基本予約制となります。詳細はオアシス来日記念公式サイトをご確認ください

オアシス来日記念公式サイト:https://oasislive25.jp

 

INFORMATION
オアシス 祝・再結成&来日! タワーレコード限定 来日記念旧譜キャンペーン開催中!

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【対象店舗】
タワーレコード/TOWER RECORDS mini全店、タワーレコード オンライン
※スマホサイズステッカーは対象商品1点ご購入にごとに1枚のお渡しです

【対象商品】
『オアシス 20周年記念スタンダード・エディション』SICP-4113
『オアシス 30周年記念デラックス・エディション』SICX-30217
『コンプリート7インチ・シングル・コレクション』SIKP-1021
『コンプリート7インチ・シングル・コレクション』SIKP-1041
『ストップ・ザ・クロックス』EICP-688
『ゼア・アンド・ゼン』EIBP-12
『タイム・フライズ... 1994-2009』SICP-6695
『ディグ・アウト・ユア・ソウルSICP-2000
『ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース』EICP-515
『ネブワース1996』(3DVD)SIBW-9
『ネブワース1996<スタンダード・エディション>』SICX-30215
『ビィ・ヒア・ナウ スタンダード・エディション』SICX-66
『ファミリアー・トゥ・ミリオンズ』ESBA-2507
『ホワットエヴァー』ESCA-6127
『オアシス』(アナログ盤)SIJP-1057
『モーニング・グローリー』(アナログ盤)SIJP-1059
『ビィ・ヒア・ナウ』(アナログ盤)SIJP-1061
『ザ・マスタープラン』(アナログ盤)SIJP-1063
『(What’s The Story) Morning Glory?』(Vinyl)RKIDLP73
『Standing On The Shoulders Of Giants』(Vinyl)RKIDLP002X
『Heathen Chemistry』(Vinyl)RKIDLP25X
『Don’t Believe The Truth』(Vinyl)RKIDLP30XX
『Dig Out Your Soul』(Vinyl)RKIDLP51X
『Masterplan - 25th Anniversary Remastered Edition』(CD)RKIDCD109
『Masterplan - 25th Anniversary Remastered Edition』(Vinyl)RKIDLP109

タワーレコード オンライン特設ページ:https://tower.jp/site/artist/oasis