青木誠の著書「僕らのラテン・ミュージック」によるとラテン音楽が日本に流れ始め、東京キューバンボーイズ結成に向けて画策されていた頃、コンガやボンゴといった楽器はなく、そういう音が鳴りそうなもので代用したり手製で楽器を作ったりしたという。結成以来、途中お休みを挟み、80年近く活動を続け、キレッキレのラテンを鳴らし続けてきたキューバンが制作したのが本作。レパートリーは日本は言うに及ばず、ラテンの歴史そのものがずらりと並ぶ。結成当時、新しい音楽だったラテンを聞いた驚きと、どうやって演奏するのだろうというラテンへの興味や関心が今でもこのバンドに持続している、そんな気がした。
見砂和照と東京キューバンボーイズ『WITHOUT YOU〜至高のキューバン・ビート~』ラテンの歴史そのものが並ぶ9年ぶりのスタジオ作