2024年2月に結成。活動期間はまだ約1年半だが、今、猛烈な勢いでライブハウスシーンを爆走している4人組バンド、NEK!(ネキ)。バンド結成前はそれぞれがSNSやYouTubeなどを通して音楽発信をしてきた4人のプレイアビリティの高さと、バンドで音楽を奏でる喜びを謳歌する熱狂的エネルギー、ヘヴィネスもポップネスも柔軟に混ぜ合わせる自由な感性によって奏でられる楽曲の魅力は、この度リリースされる1stフルアルバム『MEME』を通してより多くのリスナーたちに発見されることになるだろう。

今回は、そんなNEK!の結成の経緯やそれぞれのルーツをメインに話を聞いた。これを読めば、まだ若いながら4人それぞれが豊潤な音楽的バックグラウンドを持っていること、そして、どこまでも自分たちの〈好き!〉や〈やりたい!〉に忠実に自分の人生を生き、音楽を欲し続ける4人のパワフルさを感じてもらえるだろう。

NEK! 『MEME』 NEK!(2025)

 

まだ見ていない景色を見にいきたい

――NEK!は結成からまだ約1年半ですが、レコーディングだったり、ライブだったり、この1年半でたくさんの経験をされてきていると思います。まず、結成から現在までを振り返って感じることを教えてください。

Hika(ボーカル/ギター)「私はNEK!を始める前はひとりでシンガーソングライターとして活動していたので、ロックバンド自体、初めての経験で。

NEK!を始めてからは、次から次へと新しいことに挑戦することが増えましたし、ひとりでやっていた頃よりも大きな規模感でやらせていただけていて。この先もこの4人で、まだ見ていない景色を見にいきたいという気持ちが今は強いです」

Natsu(ギター)「私は、この1年半で自分たちの音楽を届ける楽しさを実感しました。バンドは部活やサークルで組んだことがあったのですが、それはあくまでもコピーバンドだったんですよね。

でも今は、私たちが自分たちで曲を作り、ファンの皆様がそれを受け取ってくれて、何かを感じ取ってくれて、ライブに遊びに来てくれたり、MVを観てくれたりする。なんというか……皆様のおかげですごい経験をひたすら感じる1年半でした」

Kanade(ベース)「私は成長できた1年半だったと思います。それまではひとりで〈弾いてみた〉とかの動画投稿をしていたんですけど、その頃は自分が好きなボーカロイドの曲にこだわっていたんです。

でも、NEK!として活動をスタートしてからは、いろんなルーツを持つメンバーと制作をすることで、自分では弾いたことのないような雰囲気の曲やジャンルに挑戦できています。あと、それまではネット上でしか活動していなかったので、ファンの皆様が実際に目の前にいる光景が嬉しいです」

Cocoro(ドラムス)「私はずっと年上の方たちと音楽をやっていたんですけど、先輩ミュージシャンの方々に〈同世代と一緒にバンドを組むと、また違った視点で音楽ができるし、プレイヤーとして成長できるよ〉と言われていて。でも、通っていた高校は普通の学校だったので、周りに同世代のミュージシャンはいなかったんです。それで、ずっと〈どうしたら同世代のミュージシャンとバンドができるんだろう?〉と思っていました。

そんなときに、ちょうどHikaから声をかけてもらって、NEK!をやることになって。年上の方と一緒にやっているときは〈付いていく〉って感じだったけど、NEK!に入ってからは同世代のみんなと一緒に曲を作り上げていく経験をして、ひとりのプレイヤーとしてより成長できた感じがします。そして、NEK!での活動をしていく中で自分が〈こうありたい〉と思う理想のドラマーに、段々と近づけている実感があります」