今年デビューから2年目を迎え、まもなく3年目に突入しようとしているNumber_i。決して現状に安住しない平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太の3人のことだ。きっと3年目も我々が想像もつかない作品とパフォーマンスを届けてくれるだろう。ここでは2026年を前に、彼らの挑戦に満ちた2025年を振り返っていきたい。 *Mikiki編集部

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試行錯誤を重ねたギミック満載の“GOD_i”

今年1月、Number_iは1年の幕開けを告げる新曲として“GOD_i”をリリースした。3人が絶大な信頼を置くPecori(ODD Foot Works)、MONJOE(DATS)、SHUN(FIVE NEW OLD)と作り上げた、1つとして同じ展開が出てこないのでは?と思わせるほどギミック満載のキラーチューンだ。

Number_iに長期密着したPrime Videoのドキュメンタリー「THE_i -what is Number_i-」で“GOD_i”のレコーディング風景を見ることができるのだが、フックの冒頭〈I Am My Own God〉の部分の譜割りについて、岸、Pecori、MONJOEが話し合うシーンがとても印象的だった。歌詞のメッセージ性を損ねることなく、言葉が正しくビートに乗って届くことを追求する3人のディスカッションは、近くでそのやり取りを見守る平野の姿も含めて非常にクリエイティブなシーンに思えた。

最終的には当初の歌詞のままでレコーディングされたが、そうした試行錯誤を重ねたことで楽曲の厚みは増していく。“GOD_i”が繰り返し聴いてもその都度新鮮に響くのは、こうしたクリエイティブの蓄積が作用しているからではないだろうか。

5月、3人は京都ロームシアターで開催された国際音楽賞〈MUSIC AWARDS JAPAN 2025〉の授賞式に参加した。同アワードでNumber_iはベスト・オブ・リスナーズチョイス(国内楽曲 powered by Spotify)を受賞。また、アワードのオープニングショー〈RYDEEN REBOOT〉では、YMO“RYDEEN”のメロディを差し込んだリミックス版の“INZM”に乗せて3人がパフォーマンスを披露し、日本の音楽史とNumber_iのストーリーが交わる特別な瞬間を映像に残した。

〈MUSIC AWARDS JAPAN〉参加後、3人は88risingが主催する音楽フェス〈Head In The Clouds Festival〉に出演するためアメリカへと向かった。2024年のコーチェラ・フェス以来となる海外ライブは、88risingのYouTubeチャンネルを通じて全世界に生配信された。

ちなみに、Number_iは昨年密かにロサンゼンスにわたり、ショーン・ミヤシロ率いる88risingのチームと楽曲制作に取り組んでいたことが先述したドキュメンタリー内で明かされている。わずか4日間の制作期間で、言語が違う88risingのチームと積極的にコミュニケーションを取りながらトライアンドエラーを繰り返す3人は、ハードなスケジュールにもかかわらず心から制作を楽しんでいるようだった。