正直ここまでの傑作が届くとは思わなかった。プロディジーの死から8年、彼の遺した音源を用いて完成したNYはクイーンズのデュオによる新作は、ハヴォックと彼らの作品には欠かせぬアルケミストが分け合ってビートを制作。ナズやレイクォン&ゴーストフェイス・キラーら同時代を生き抜いてきたNY勢だけでなく、クリプスとの初共演曲も交えながら、ジョルジャ・スミスとH.E.R.の歌唱曲も必要なかったと思えるほどの硬派を貫き通している。盟友ビッグ・ノイドを迎えた“The M. The O. The B. The B.”ではBDPの“Jimmy”を引用しつつクイーンズ魂をアピールするところも熱い。燻し銀の一枚。