国産ギター・ロックの震源地……the paddlesが所属するPaddy fieldをチェック!!
東京拠点のレーベル、Paddy field。その運営に携わるのは自身もバンド活動をしている藤田政司だ。レーベルの誕生には〈府中発〉を謳うkoboreの躍進が関係している。当時、koboreは〈ビクターロック祭り〉へのオープニング・アクトでの出演が決まるなど注目を集めていたが、レーベルや事務所には所属しておらず、自主で活動していた。そこで、彼らをサポートするために藤田はメンバーと話し合い、2017年にPaddy fieldを設立。以降はNegative CampaignやDear Chambersといったアップカマーたちを世に送り出しつつ、Paddy fieldからのリリース経験を問わずに集められた若手バンド中心のコンピレーション・シリーズ〈to the next field〉も展開。2021年にはサブ・レーベルのPaddy field SUMMERを立ち上げ、これまで以上に幅広い世代や音楽性を持つバンドをフォローしている。藤田がもっとも重要視しているのは〈メロディーの良さ〉と〈ライヴの力〉。koboreやthe paddlesを筆頭に多くのバンドが飛躍を遂げている点からも、彼の審美眼の確かさは明らかだろう。
Paddy fieldのカタログを一部紹介。
左から、3SET-BOBの2024年のEP『ANTHEM』(Paddy field SUMMER)、Dear Chambersの2022年作『you & me』、2021年のコンピ『to the next field 4』、Negative Campaignの2019年作『Negative Campaign』(すべてPaddy field)
Paddy filedの1ページ目を飾った記念すべきミニ・アルバム。〈月平均10本〉というライヴ現場で鍛えられたバンド・サウンドは、一切の迷いなくまっすぐに聴き手の心を貫く。何かが始まる予感に溢れた、夜明け前の光の如きロック。
ヨル、ふたたび。〈タワレコメン〉にも選ばれ、さらに知名度を上げた本作には、バンドを代表するアンセム“ヨルノカタスミ”、スタンスを明快に歌った“ローカルから革命を”などを収録。独りぼっちのリスナーへと灯を差し出すような優さが溢れる。
2013年に結成された八王子出身の4人組。もともとFIVE RATに所属していた彼らのリリースは藤田のなかで〈新たな挑戦〉だったそう。メンバー脱退を経たバンドにとっても再始動の一枚にあたり、世界に飛び込む意思が漲るミニ・アルバムだ。
藤田が〈珍しく自分から手伝おうと声を掛けた〉というつくば出身の2人組によるファースト・フル・アルバム。スケール感の大きいギター・サウンドに魂の震えを重ねた、長く聴かれるべきオルタナの傑作だろう。配信なしで、CDパッケージのみ。
レーベルの新ラインからリリースされた3人組の最新EP。〈Paddy field SUMMERのキーワードはパンク〉と藤田が語る通り、メロディックからハードコア、スカまでを痛快に鳴らしている。エア・ホーンも活躍する“SUPER PARTY”が最高!
〈府中発〉を標榜している4人組はkobore直系の後輩。BUMP OF CHICKENの楽曲から取ったバンド名が示すように、楽曲の耳馴染みの良さは特筆すべきで、歌声とメロディーが魅力的だ。ポスト・ロック的な演奏の細やかさも聴きもの。 *田中亮太





