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自由で想像性に富む演奏を心がけたい――ソフィア・リュウ

 2008年上海に生まれ、父親の仕事の関係により2歳で日本に移って4歳からピアノを始め、7歳でカナダに移住し、9歳からダン・タイ・ソンに師事しているソフィア・リュウがショパンとリストのCDをリリースした。

SOPHIA LIU 『リスト、ショパン:作品集』 Mirare(2025)

 「初めての録音ですから、私のもっとも得意としている大好きな曲を集めました。リストの“愛の夢”はロマンティックで愛と情熱にあふれ、みんなが好きな曲ですので、オープニングにふさわしいと思いました。ベッリーニ/リストの“ノルマの回想”には13歳のときに出会い、すぐに恋に落ちました。リストは超絶技巧だけではなく、語り尽くせない魅力を備えた作曲家・ピアニストで、この作品では人生のすべてを表現している。もちろんまだ私は若いのでリストの作品を語るには十分ではなく、その解釈や表現も模索中ですが、7歳のときにリストの小品に出会ってから、作品の裏に潜む複雑な感情、人生のあらゆる側面を音で表現しているところに無性に惹かれています。今後はもっと多くの作品を時間をかけて勉強し、リストの奥深い面に迫っていきたい。もちろんソロ作品も編曲作品も含めて、リストに近づきたいのです」

 ショパンはマズルカからスタートし、“アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ”へと歩みを進める構成だ。

 「ショパンはダン・タイ・ソン先生とさまざまな作品を勉強しています。特にマズルカは先生の得意とする分野ですので、じっくり学び、彼からあらゆることを伝授されています。作品17のマズルカは人生を回顧するような内容を備え、そこに魅了されます。“アンダンテ・スピアナート~”はふたつの部分から成り立っていますが、私はひとつの流れとしてとらえています。全編を通して安定、エネルギー、純粋など多種多様な感情が込められた内容で、それらのバランスが大切です。ダン・タイ・ソン先生からは“自分の声を見つけるように“といわれていますので、私は自由で想像性に富む演奏を心がけたいと考えています。今後はもうコンクールを受けず、幸い各地のコンサートが入っていますので、そのなかで成長していきたい。もうすぐ大学に進む年齢になりますが、ヨーロッパで研鑽を積んだ方がいいのか考慮中です。作曲家や作品の歴史的背景も学びたいため、じっくり考えたいと思っています」

 彼女は自身の考えを率直に雄弁に語る。大海原に漕ぎ出したばかりだが、その向こうには明るい未来が待っている感じだ。