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続々と繰り出される月亭可朝武勇伝の数々に取材現場は笑いに包まれた

可朝やんが亡くなって〈一つの時代が終わった〉と感じました

――そんな可朝さんは2018年に80歳で他界されました。その知らせを聞いて、どのように思われましたか。

「やりたい放題やってきた人でした。せやけど憎めない魅力がある。これはあくまで私の想像ですけれど、可朝やんは自分が歩んできた道を、まったく後悔してはおらんと思う。後悔があるとすれば〈もっと遊んでおきたかった〉、そういう後悔でしょうね。もうあんな人は二度と出てこないでしょう。今ならばコンプライアンスに引っかかって、テレビやラジオに出せないですよ」

――確かに可朝さんがお亡くなりになった時期(2018年)と入れ替わるように、急に放送業界のコンプライアンスが厳しくなった印象があります。

「可朝やんが亡くなって〈一つの時代が終わったな〉と感じましたね。私のホン書き歴の中で、何度か大きなエポックがあったんです。最初は上方コメディでした。私が放送作家を始めた頃は『てなもんや三度笠』『番頭はんと丁稚どん』『やりくりアパート』といったテレビコメディの舞台中継が全盛期でね。脚本を書くのが仕事やったんです。

スターと言えば南都雄二、藤田まこと、芦屋雁之助などの喜劇俳優でした。そこから10年足らずで今度は仁鶴、可朝、三枝(現在の六代目・桂文枝)、やすきよ(横山やすし・西川きよし)といった若手芸人が一気に台頭し、雰囲気がゴロッと変わった。芸だけやなく、その人のニン(人柄)が愛されるようになったんです。可朝やんは、その代表みたいな人でしたね」

――次世代を担う若き芸人たちに伝えたいことはありますか。

「可朝やんは破天荒な人やったけれど、根は笑芸が大好きなんです。根底に〈芸事が好き〉〈芸がある〉から許されてきた部分はあると思う。これからのお笑い界を背負う若い人たちには、〈私の芸はこうだ〉というのを確立してほしいですね。なんとなくいるタレントになるんじゃなくてね」

――『月亭可朝 マンガ浪曲《サラリーマン読本》』を聴いても、可朝さんの芸の凄みが改めて伝わってきます。今日は長時間、ありがとうございました。

「月亭可朝のような無頼派芸人はもう出てこないだろう」と追懐する

 


RELEASE INFORMATION

月亭可朝 『マンガ浪曲《サラリーマン読本》』 テイチク(2026)

リリース日:2026年3月25日(水)

オリジナル発売日:1976年10月25日
録音日:1976年8月5日
2026年最新マスタリング音源使用 LP 2026年カッティング

■LP

品番:TEA-29
形態:LPレコード(33 1/3 r.p.m.)
価格:5,500円(税込)

SIDE A
1.イントロダクション (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
2.浪曲口上 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
3.母チャン行ってきます (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
4.タダの人(ラッパ節)(作詞)池田幾三 (作曲)不詳
5.構内 穴 ウンス (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
6.新歌笑曲 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
7.チカン電車 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
8.社内会議(江州音頭)(原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
9.重役コース裏道5ヶ条 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
10.浪曲チリ紙君の運命 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕

SIDE B
1.浪曲サワリーマン (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
2.あゝ懐しの青春時代 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
3.ミスター・チョンボ(接待麻雀実況中継)(作詞)池田幾三 (作曲)月亭可朝
4.浪曲男・涙の縄のれん (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
5.ひとり酒(歌謡曲)(原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
6.艶笑ツーレロ節 (作詞)池田幾三 (作曲)不詳
7.艶笑ノンキ節 (作詞)池田幾三 (作曲)添田唖蝉坊
8.浪曲オソマツの章 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕

■CD
品番:TEH-29
形態:CD
価格:3,000円(税込)

TRACKLIST
1. イントロダクション (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
2. 浪曲口上 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
3. 母チャン行ってきます (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
4. タダの人(ラッパ節)(作詞)池田幾三 (作曲)不詳
5. 構内 穴 ウンス (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
6. 新歌笑曲 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
7. チカン電車 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
8. 社内会議(江州音頭)(原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
9. 重役コース裏道5ヶ条 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
10. 浪曲チリ紙君の運命 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
11. 浪曲サワリーマン (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
12. あゝ懐しの青春時代 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
13. ミスター・チョンボ(接待麻雀実況中継)(作詞)池田幾三 (作曲)月亭可朝
14. 浪曲男・涙の縄のれん (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
15. ひとり酒(歌謡曲)(原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕
16. 艶笑ツーレロ節 (作詞)池田幾三 (作曲)不詳
17. 艶笑ノンキ節 (作詞)池田幾三 (作曲)添田唖蝉坊
18. 浪曲オソマツの章 (原作)池田幾三 (構成)池田幾三・木本裕

 


PROFILE: 月亭可朝
落語家。1938年生まれ。意外にも神奈川県の葉山生まれ、横浜出身。最初の師匠こと3代目林家染丸に師事し(のちに破門)、吉本興業に所属。桂米朝の弟子として再入門し、幕末から明治にかけて活躍した落語四天王のひとり月亭文都ゆかりの亭号である月亭を襲名。初代・月亭可朝となる。襲名披露公演では舞台に置かれた棺桶から現れ、いきなり異彩を放った。高座でも洋風のカンカン帽をかぶるなどアクが強いキャラクターでお茶の間の人気者となるが、反骨精神に富んだ芸風は〈卑猥で下劣〉と賛否両論あった。営業先にて即興で歌った“嘆きのボイン”を1969年にレコード化し、80万枚の大ヒットとなる。1971年、第9回参議院議員通常選挙では全国区より無所属で立候補したが落選。2001年には第19回参議院議員通常選挙に自由連合公認で比例代表区から立候補したが再度落選している。無類の博打好きでもあり1979年、野球賭博で逮捕。〈バラエティ番組だけではなくニュースにも出る落語家〉と呼ばれるようになった。2018年3月28日、急性肺線維症のため兵庫県内の病院で死去。80歳没。

PROFILE: 池田幾三
放送作家/ラジオパーソナリティ。1935年生まれ。早稲田大学文学部演劇科を卒業後、カラーテレビの放送が開始された1959年4月に東宝テレビ部に入社。コメディドラマ「番頭はんと丁稚どん」などの脚本を執筆していた花登筺のもとで修行をし、のちに東宝テレビ部の同僚であった新野新と〈ペン企画〉を主宰する。放送作家として「パンチDEデート」のパンチライン〈一目あったその日から恋の花咲くこともある。見知らぬアナタと見知らぬアナタのデートを取り持つパンチでデート!〉を考案し、これが初のヒット作となった。以来「霊感ヤマカン第六感」「ABCヤングプラザ」「ざこば・鶴瓶らくごのご」「あまからアベニュー」など多数の名番組を手がける。また、帯番組「池田幾三のザ・トゥディー」などラジオパーソナリティとしても人気者に。