「曲を作りたかったから、作った。一緒に合わせる人が欲しいから、バンドを組んだ。楽しいから今も続けている」
こんなにもピュアなバンドの在りかたがあるだろうか。もちろん、「誰かを救いたい」や「有名になりたい」、「武道館に立ちたい」なども素晴らしい理由だ。しかしながら、〈素直であり続ける〉を選ぶ人にしか放てない魅力があるのも、また事実。
大阪・北摂を拠点に活動しているスリーピースバンド、レトロマイガール!!は、どこまでもピュアだった。「だから彼女たちの音楽は、スッと胸に飛び込んでくるのだな」と、ストンと腹落ちするほどに。本稿ではバンドの成り立ちやマインド、1stフルアルバム『MY GIRL』について語ってもらった。
曲を作ってみた、合わせる人が欲しい、メンバーを集めよう
――バンドが結成された経緯から、お伺いしてもよろしいでしょうか。
花菜(ボーカル/ギター)「もともとは高校の軽音楽部に入っていて、全くオリジナル曲を作る気はなかったんです。でも、高2のときに部内で唯一オリジナル曲をやっている先輩のライブを観に行ったら、その先輩がバーカウンターの前で〈花菜だったら曲を作れるんじゃない?〉と言ってくれて。〈作るってどういうこと? お風呂で歌っていた鼻歌が、曲になるのかな?〉と思って作り始めたのが、最初のきっかけでした。ただ曲を作ってみたい、曲を作ってみた、合わせる人が欲しい――、だったらメンバーを集めようみたいな感じでしたね」
――メンバーのふたりとは、どこで出会ったんですか。
花菜「地元の茨木JACK LIONというライブハウスです。私たちは高校がバラバラなんですが、それぞれ軽音学部に所属していたという共通点があって。もともとはコピーバンドをしている同い年の友達って感じでした。
ドラムのひらおか君は、同期のなかで二本の指に入るドラマーのひとり。小技もすごく上手なので〈お誘いしたいな〉と思って声をかけました。
あやきちゃんはご飯へ行ったり遊びに行ったりするくらいに仲のいい友だちでしたし、すごく音楽のセンスが素敵なのも知っていたので、一緒にやりたいと思って。以前に彼女が〈学校にはベース志望が多くてできなかった〉と話していたのも覚えていましたしね。私のライブを観て〈すごく歌が好き〉と言ってくれていたのもあって、ベースを弾いてるところは見たことなかったけど、〈どうしてもこの子とやりたい〉と思って声をかけました。
そうして、2020年1月頃に結成し、(大学)受験が終わった2021年3月頃から本格的に動き出したという感じです」
あやき(ベース/コーラス)「ドラムのひらおか君は受験があったので、結成直後は花菜ちゃんとふたりで活動していた時期もあるんですよ」
――声をかけられたおふたりは、花菜さんから誘われて、どのように感じましたか。
あやき「ベースが弾けるならやろうかな、くらいの感じでした」
ひらおか(ドラムス/コーラス)「僕もドラムが好きやったし、ドラムでいっぱいいろんなことができるかなと思って。誘ってもらえて嬉しかったです」
――ちなみに高校生の頃は、どんなバンドをコピーしていたんですか。
花菜「あいみょんさんとかコレサワさんとかHump Backとかきのこ帝国とか。女性ボーカルの曲を中心に、いろんな曲をつまんでいました」
あやき「実は私、以前のバンドではずっとピンボーカルをしていて。ほとんどがきのこ帝国で、あとはyonigeやLucie, Tooを歌ってましたね」
ひらおか「僕はおいしくるメロンパンとかポルカドットスティングレイをコピーしていました」
