
ロックヒロインにチェンジ、全身全霊で歌を届ける
YENAがバージョンチェンジするVCRを挟み、シンガーとしてのポテンシャルをまざまざと見せつけるセクションへ。黒い革の衣装をまとった彼女は、まさにロックヒロイン。ヘッドセットはハンドマイクに変わり、全身全霊で歌を届ける気概はスタイルからも伝わってきた。
弾ける声色が輝く“Damn U”、優しく語り掛ける“Sticker”、麗らかな高音が響く“Lxxk 2 U”と多種多様な歌声を開花。たとえスクリーンに表情が映らなくとも、激しい振り付けがなくとも、オーディエンスを惹きつけるだけのパワーが、YENAの歌には宿っていた。
後半のMCでは「昨日より盛り上がってる感じがしますよ」と嬉しそうにニッコリ。「Jigumi叫べ!」と煽り、1階と2階、陰キャと陽キャでスクリームを巻き起こす。その熱狂のままに、Jigumiが“Catch Catch”のダンスに挑戦する〈コラボレーション“Catch Catch”チャレンジ〉にトライ。カメラに選ばれたJigumiが愛あるダンスを披露し、和やかな空気が生み出されていた。
創出された一体感を維持しながら、YENAから掛け声の宿題が出ていた“364”へ。教卓のようなセットも使いこなし、華やかかつポップにブライトな歌を響き渡らせていく。Jigumiのコール&レスポンスの完成度も高く、思わずYENAも「全部が天才ですよね」と上機嫌に。続く“Good Morning”“DNA”でも熱い歓声が響き渡り、YENAとJigumiの熱量が溶け合う空間が作りあげられていった。

キティちゃんベースも弾き、クライマックスの熱気は最高潮に
VCRあけの“It was love”と共にYENAが姿を現したのは、なんと2階席。予想だにしない展開に、大きな歓声が客席で巻き起こった。一人ひとりと目を合わせ、ハートを作ったり、手を重ねたりしていくYENA。Jigumiに向けられた愛おしそうな視線は、後のMCで口にしていた「みなさんの顔は本当に近くで見たときが一番きれいです。あなたたちの目が本当にキラキラして、YENAはいつも感動する」という想いを鮮明に物語る。“Déjà Vu”になると、1階席へ移動して客席を巡回。時には胸に手を当てながら歌う姿もあり、一段と重心を乗せながら言葉を紡いでいることが伝わってきた。
そして「次の曲は、感動パートです」と告げ、YENAが作詞作曲を手掛けた“The giving tree”をドロップ。スポットライトを一身に受け、真っすぐに歌を届けていく佇まいのなんと真摯なことか。あまりにも胸を打つ表現に、おのずとオーディエンスも吸い込まれるようにして見入ってしまう。YENAが丁寧に歌を届け終えると、温かな拍手が会場を包みこんだのだった。
アンコールコンサートの予告と写真撮影を経て、いよいよコンサートもラストスパート。キティちゃんデザインのベースを構えると、YENAは「今日も明日もJigumiのことだけを思う、Jigumi一筋、YENAでした」と告げ、Official髭男dismの“Pretender”を弾き語り始めた。初のJigumiミーティング〈YENA 1st FANMEETING IN JAPAN [この指とまれ! YENA Friends]〉でもカバーされた名曲のカムバックに、オーディエンスも興奮を隠し切れなかったことだろう。YENAはスマートに弦をつま弾きながら、切なさも愛らしさも全部乗せた清らかな歌声で、会場を満たしたのだった。

このまましんみりと終わってもおかしくないものだが、しっかりと〈笑顔〉で幕を下ろすのがYENAの流儀。ベース演奏で“SMILEY”を奏でると、ハンドマイクスタイルで、最後の最後までファンを引っ張っていく。彼女の威勢に触発されたのか、客席に響き渡るコールも〈ここですべてを出し切るぞ〉と言わんばかりの勢いだ。YENAとJigumi、それぞれがお互いを高みへ押し上げ合い、最高潮の熱気で本編は結ばれたのだった。