次世代ポップアイコンによる親密かつ没入感の高いライブ
次世代のポップアイコンとして注目されているYENAの5都市8公演に及ぶアジアツアー〈2026 YENA LIVE TOUR [So Near Yet So Far, Another Wo2ld!]〉の東京公演が、6月13、14日にZepp DiverCity (TOKYO)にて開催された。日本でのコンサートの実施は、2025年2月に行われた初コンサート〈2025 YENA 1ST CONCERT “四角からはじまる異世界!” 旅行> in Japan〉以来、約1年4ヶ月ぶり。
ライブでのYENAは、〈とても近いのに、とても遠い、別の世界!〉をテーマに、異世界へ迷いこんだような没入感の高いライブをJigumi(YENAのファン)と一緒に作り上げると共に、カリスマでありながらJigumiの親友でもあるYENAならではの煌めきを存分に解き放った。本稿では、6月14日の様子をお届けする。

冒頭からカリスマ性で盛り上げまくり
手持ちの鍵を使って扉を開けたYENAが、異世界に迷いこむオープニングムービーから、ライブはスタート。黒ずくめの集団と対面したことをきっかけに、物語は広がっていく。リアルタイム映像へ繋がれると、楽屋のソファーから起き上がるようにしてYENAが出現。場面をシームレスに結んだ演出は、映像内で描かれていた世界が、これから目の前で繰り広げられていくことを予期させた。彼女が舞台裏からステージに辿りついたのを合図に、いよいよショータイムは幕開けだ。
なんと1曲目にして、5thミニアルバム『LOVE CATCHER』のタイトルソング“Catch Catch”を投下。いきなり3月にリリースしたばかりのキラーチューンを導き、オーディエンスのアクセルを一気に踏み込ませた。SNSで話題をさらった、表情で魅せるキリングパートもお手の物。一挙手一投足に隙のない圧倒的なパフォーマンスで、あっという間にJigumiの心を掌握したのである。

「みなさん準備はいいですか!」と焚きつけ、キャッチーな歌詞が耳に残る“NEMONEMO -Japanese Ver.-”へ。天真爛漫なムードは〈次の瞬間は何を見せてくれるのだろう〉といった期待を誘発し、一瞬たりとも目が離せないフロー状態にオーディエンスを手招いていく。噴射された銀テープに目もくれず、ずっとステージに釘付けだったJigumiの視線が、何よりの証明だろう。まさに彼女は〈Style is star/見たらわかる〉を体現しているのだ。“STAR! (feat. Hatsune Miku)”でも、ウインクを飛ばしたり、キュートに謝ったりと、カリスマ性を遺憾なく発揮。ヒットナンバーを連投し、冒頭から会場を盛り上げつくした。

〈音楽は国境を越える〉を実現させるスーパーアイドル
続いては、アイドルとしての表現力の幅を魅せるパートへ突入。“Drama Queen”のソファーを使ったパフォーマンスでアンニュイな一面を魅せたかと思えば、“U”では赤ずきんちゃんに扮してストーリーテリングをアピール。“Being a Good Girl Hurts”になると、男性ダンサーと華麗なステップを踏み、優美なオーラを放出していった。
特筆すべきは、YENAの楽曲を深く理解し、表現に落としこむ能力の高さだ。彼女にかかると、たとえ歌詞の意味がわからなくとも、表情や声色、動作から、音楽にこめられた想いや物語が伝わってくる。よくいう〈音楽は国境を越える〉を絵空事にせず、磨き上げられた表現力で成し遂げてしまうのだ。
それだけカリスマ性がありながら、友達のような親しみやすさを持ち合わせているのも、YENAの魅力のひとつ。MCでは「今日は男らしい感じです。愛してるぜ!」と宣言し、Jigumiから飛んできた「大好き!」に「しんど!」と返して、笑いをさらう一幕も。さらに“Sugar”では、スタッフにより選ばれたJigumiをステージに上げて、一緒にパフォーマンスを作り上げてしまうのだから驚きだ。ずば抜けた表現力を持ったスーパーアイドルであり、親近感を覚える希望の光。それこそがYENAの唯一無二性なのではないだろうか。そのままYENAが嫉妬に胸を焦がす茶番を挟み、クールなモーションで魅せる“Anyone But You”へ。Jigumiを巻きこみながら、恋の始まりと終わりをエモーショナルに演じ切ったのである。

前半の締めを飾ったのは、YENAが一番最初に聴いたボカロソングである“ワールドイズマイン”のカバーだ。ちょっとワガママな女の子を描いた歌詞は、自分のやりたいことに真っすぐで無邪気なYENAによく似合う。日本語の発音もいつも以上に聴き取りやすく、ただただボカロが好きで、日常から何度もこの曲を聴いてきたであろうバックグラウンドを想像させた。