山田一雄と新交響楽団の1984年6月から85年9月の3回の演奏会の録音。収録曲を当日の演奏会のプログラムで並べるとベートーヴェン“英雄”とワーグナー“神々の黄昏”、マーラー3番、シューベルト“未完成”とマーラー“大地の歌”という重量級の組み合わせ。山田一雄の記録としてはベートーヴェンを除き初めて耳にできるレパートリーであり、乾坤一擲の音楽が炸裂し、うねる。特にマーラー3番や黄昏終盤の弦楽合奏で第1と第2ヴァイオリンの受け渡しがどの演奏よりもしなやかで明確に天を突かんばかりに浮かび上がる。“大地の歌”は諦観とは真逆の劇的な演奏で全く長さを感じさせない。
山田一雄&新交響楽団『マーラー:交響曲第3番、「大地の歌」、シューベルト:「未完成」、他』84~85年に録音された劇的な演奏を収録