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マルーン5に学んだキャッチーなメロディの作曲法

――4つ目は、マルーン5のアルバム『Singles』。ここで再び洋楽が来ました。

MAROON 5 『Singles』 222/Interscope(2015)

「高校卒業後、洋楽にちゃんと触れてみたくなったんです。マルーン5の“Sugar”を何気なく聴いたらすごくいい曲で、入門盤と言える『Singles』を聴いたらもう全部が好きになってしまい、このバンドは絶対に私の音楽と関連していると思いました。それこそ、イントロで曲の景色がパッと浮かぶ感じだから。

マルーン5に学んだのは、リズムがシンプルなところ。洋楽って全般的にそうだと思うんですけど、さほど難しいリズムを叩いてなくて、ギターなどの上モノで彩りや遊びを加えているイメージなんです。あとは、メジャーキーでも明るすぎないコードを使っていたり。自分と異なるアプローチが新鮮でした」

――曲作りのヒントになったんですね。

「メロディから作るようになったのも、マルーン5を聴いて以降ですね。特にサビとかは超キャッチーなので。あれこれ同時に進めるより、まずは頭に残るメロディをスタートに置き、鼻歌にコードを付ける方法。そうやって曲作りのパターンを増やす、視点を変えてみるのもアリだなと思ったんです」

――時間が経過するにつれて、変化はたくさん生まれていると。

「そうですね。最新曲の“BAD愛”では、初めてコライトにチャレンジしました。サウンドプロデューサーの宅見将典さんのトラックに、私が鼻歌で出たメロディと歌詞を乗せていくっていう。これまでにないリズムも取り入れたフレッシュな仕上がりになっています。

本当に日々、発見と挑戦ですね。それをしないと自分が飽きちゃうので(笑)。ライブだったら、アコギの弾き語りとバンドのスタイルを両方やりたいし。引き続き、成長していきたいです」

 

GLIM SPANKYから導き出した、パンチのある惹き込まれる声

――そして最後は、GLIM SPANKYの“愚か者たち”です。

GLIM SPANKY 『LOOKING FOR THE MAGIC』 ヴァージン/ユニバーサル(2018)

「GLIM SPANKYとの出会いは高校のときで、NICO Touches the Wallsと同様にコピーバンドをやってました。ジャンルに囚われてないつもりだったんですけど、GLIMを聴くと〈私はロックが好きなんだな〉と再認識する次第です。2人のユニット編成というのが新鮮で、なおかつボーカルもギターも圧倒的にカッコいい。松尾レミさんの声は天性のものですよね。

私はカラオケが好きで、歌えるようになりたい曲をひとりで練習しつつ、いろんな声の出し方を覚えることを当時やっていたんですけど、レミさん独特のハスキーな声は真似できませんでした。低く聞こえるわりに、キーはめっちゃ高かったりもするから。

でも、パンチのある、惹き込まれる声を、自分なりに探していくきっかけにはなったと思います。ボーカルのニュアンスも勉強させてもらい、さまざまな試行錯誤の末、今の歌い方に至ったので。GLIM SPANKYはカラオケでよく歌ってましたね。“愚か者たち”以外だと、“東京は燃えてる”“怒りをくれよ”“褒めろよ”とか」

――言葉の強さもありますよね、GLIM SPANKYは。

「情熱的な歌い回しを含め、そこも好きな部分です。どうすれば聴き手の不意を突けるか、心を掴めるかは、曲を発信して反応をいただけるようになってから、より深く考えてますね。歌詞の強みを持たなきゃいけないなって」

――メジャーデビュー曲の“愛でてよベイベー”は、まさにガツンとくるインパクトがありました。

「いい意味でふざけられたと言いますか。遊び心をうまく活かせて、純粋に楽しく作れた実感があります。〈目で〉〈愛で〉〈メーデー〉とあえて果敢に重ねるサビは鮮烈だと思うし、ギターリフをずっと弾きながら歌っているのもポイントです」

――音楽遍歴や人生を辿るような5選でしたけど、振り返ってみていかがですか?

「ロックを感じること、カッコいいと思えることが、私にとっては大切なんだと改めて自覚できました。過去の扉を開いて、本当はもっと洋楽が、海外のメロディやリズムが好きなこともようやくわかってきた気がします。

〈音楽を真剣にやってみよう!〉となったのがまだまだ最近すぎて、現在進行形で自分を確立していってるみたいな感じ。マイケル・ジャクソンの映画『Michael/マイケル』を観て、今は“Billie Jean”にときめいてるんです」