2023年からシンガーソングライターとしての活動を本格的にスタートさせたラナメリサ。未発表のオリジナル曲“エロス”の歌唱動画がバイラルヒットとなり、切実さや色気を持つ凛としたボーカル、頭に残るインパクト抜群の歌詞が話題を呼ぶなか、2025年11月にシングル“愛でてよベイベー”でメジャーデビューを果たした。

そして、2026年夏は注目のライブが目白押し。7月14日にはHOT STUFF主催イベント〈Ruby Tuesday 68〉に出演したばかりで、8月14日(金)には国内最大級の野外フェス〈RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO〉、8月23日(日)には自主企画〈太陽に妬かれて Vol.3〉への出演が決定している。

今回のインタビューでは、彼女に〈ラナメリサを作った5曲〉を挙げてもらい、人となりや音楽性の成り立ちについて聞いた。現在22歳でこれからが楽しみなブライテストホープ。作品はもちろんのこと、自然体で等身大なキャラクターも魅力的なので、ぜひライブに足を運んでみてほしい。


 

「グリース」で抱いた音楽と強い女性への憧れ

――メジャーデビューから7ヵ月ですけど、インタビューを受けることには慣れてきましたか?

「なんとなく、ですね(笑)。自分がどう見られたいのかも、少しずつ客観的にわかるようになってきてます」

――今回は〈ラナメリサを作った5曲(5選)〉といった感じで、事前にタイトルを決めていただきました。

「スッと出てきたのもあれば、悩んだのもありました。そもそも私は流されるままに音楽を始めたような人間だったりもして、理想のアーティストがわかりやすくいるわけではないので、〈誰に影響を受けたんだろう?〉と自分を見直せるいい機会だったなと思います」

――では、選んだ理由やエピソードを順に聞かせてください。1つ目に挙げてもらったのは、1978年公開の学園ミュージカル映画「グリース」のサウンドトラック。いきなり約50年前の作品です。

VARIOUS ARTISTS 『Grease』 RSO(1978)

「5歳くらいのとき、母親が好きだったことから夢中になって。映画を繰り返し観ては、サントラを聴いてました。電車内でもよく歌っていたみたいです(笑)。

私の曲は〈洋楽っぽい〉とめっちゃ言われるんですけど、つい最近まで自分もルーツがわかってなかったんですね。実際のところ、洋楽を意識的に聴いてきた歴史はないし。でも、思い返してみると、幼少期に無意識で歌っていた『グリース』が原点にある気がします」

――音楽面ではどのへんが魅力的だったんでしょう?

「明るいムードですかね。曲作りで自然と跳ねたリズム=シャッフルを使いがちだったりとか、ブルーノートをつい入れたくなったりするのも、きっとこの映画が大きいんじゃないかな。

フランキー・ヴァリの主題歌“Grease”だけじゃなく、ほとんどの劇中曲を熱唱していました。特に好きだったのは、ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン=ジョンによる“You’re The One That I Want”(邦題“愛のデュエット”)です」

――映画のストーリーも好きだったんですか?

「はい。不良のジョン・トラボルタに合わせて、お嬢様のオリビア・ニュートン=ジョンがすごくセクシーな恰好をするシーンがあるんですけど、それが幼いながらに衝撃だったのを覚えてます。〈ああいう強い女性になりたい!〉と思ったんですよ」

 

山口百恵が歌う、強さと複雑さを同居させた女性像

――2つ目は、山口百恵さんの“絶体絶命”。こちらも1978年作です。

山口百恵 『ドラマチック』 CBS/ソニー(1978)

「同じく母を介して知った山口百恵さんの低い声に惹かれました。とにかくカッコいい女性に憧れていたんです、私は。バイクがスタジオを駆け回るなかで歌う映像を観たんですけど、まったく動じない姿とか、他のアイドルとは違う印象でしたね。

三角関係や修羅場を思わせるディープな描写に興味を持ったのは百恵さんの影響かな。“絶体絶命”の〈やってられないわ〉、“プレイバックPart2”の〈馬鹿にしないでよ〉のような、固定観念を崩して上位に立つ感じがありながら、実は人知れず寂しさも抱えている。そういう強い女性像、複雑な心模様が好きなんです。

中3のときに作った“奪い愛”という、文字どおり〈略奪愛〉がテーマの曲があるんですけど、ネットで読んだリアルな体験談を参考にして書きました。周りの子にドン引きされたものの、その感性が“エロス”のような曲に繋がったと思います」

――高い声よりも低い声になりたかった?

「小学生の時点で女の子らしいことが好きじゃなくて、男の子になりたかったくらい。恋愛対象は女の子じゃないけど、同性にモテたかったんです。例えるなら、ヤンキーの長みたいに慕われたかった。それには低いほうがカッコいいなって。マジョリティよりはマイノリティへの憧れがあったのかも。誰かと被るのは嫌。ただ、真似されるのは好きでした(笑)」

――ラナメリサさんの“焼ける肌”からは、理想と現実のギャップが伝わってきますね。

「10代の終わりに書いた曲です。小さいときから〈早く大人になりたい〉という感情が強くて、未来にすごく期待してたのに、いざ直前で子供と大人の境目がないことに気づいてしまう。むしろ、なりたくない意思も湧いてくる。だけど、受け入れるしかない……そんな自問自答を歌っています」

 

NICO Touches the Wallsで開眼したギターとバンドの魅力

――3つ目は、NICO Touches the Wallsのアルバム『QUIZMASTER』です。

NICO Touches the Walls 『QUIZMASTER』 キューン(2019)

「中学の頃にいろんなアニメが好きで、主題歌をきっかけにバンドの曲を聴くようになるんです。なかでもハマったのが、NICO Touches the Walls。高校の軽音部からエレキギターを始めて“THE BUNGY”を最初にコピーしました。

NICOは私が高1のとき(2019年)に活動を終了してしまうんですが、ラストアルバムが『QUIZMASTER』になります。“焼ける肌”はこれを聴きまくってた青年期真っ只中に書いた曲だったりしますね。けっこう特殊な作品なんですよ。内容も人生に疑問を投げかけるような」

――ですよね。アルバムのテーマが自分たちの中にある〈?〉で、曲名に漏れなくクエスチョンマークが付いている。

「なので、誰かと共有するというよりは、ひとりで考え事をしたいときに寄り添ってくれたアルバムなんです。ちょうど18歳くらいになる時期だったから、〈どうして夢を見るの?〉と歌う“18?”も死ぬほど刺さってました。

もともとはメロディやリズムを主に聴くタイプのリスナーだったんですけど、NICOはすべてを把握したくなるというか。俯瞰するような、核心を突いてくるような歌詞が自分と合ってたんだろうな。私も疑問を抱いた際、納得いくまで考えて答えを出すのが好きなんです。

“THE BUNGY”みたいなカッコいいギターリフもいっぱいあるし、バンドが好きになれたのと、イントロだけで〈あの曲だ!〉とわかるナンバーが最高だと感じるようになったのは、NICOのおかげだと思います」

――ちなみに、アコギはもっと前から弾いていたんでしたっけ?

「中学からですね。何ができるようになったらカッコいいかなと思って、シンガーソングライターをやる部活に入りました。単純に弾けたらカッコいいじゃないですか(笑)。歌よりもギターへの関心が先だったんです」

 

マルーン5に学んだキャッチーなメロディの作曲法

――4つ目は、マルーン5のアルバム『Singles』。ここで再び洋楽が来ました。

MAROON 5 『Singles』 222/Interscope(2015)

「高校卒業後、洋楽にちゃんと触れてみたくなったんです。マルーン5の“Sugar”を何気なく聴いたらすごくいい曲で、入門盤と言える『Singles』を聴いたらもう全部が好きになってしまい、このバンドは絶対に私の音楽と関連していると思いました。それこそ、イントロで曲の景色がパッと浮かぶ感じだから。

マルーン5に学んだのは、リズムがシンプルなところ。洋楽って全般的にそうだと思うんですけど、さほど難しいリズムを叩いてなくて、ギターなどの上モノで彩りや遊びを加えているイメージなんです。あとは、メジャーキーでも明るすぎないコードを使っていたり。自分と異なるアプローチが新鮮でした」

――曲作りのヒントになったんですね。

「メロディから作るようになったのも、マルーン5を聴いて以降ですね。特にサビとかは超キャッチーなので。あれこれ同時に進めるより、まずは頭に残るメロディをスタートに置き、鼻歌にコードを付ける方法。そうやって曲作りのパターンを増やす、視点を変えてみるのもアリだなと思ったんです」

――時間が経過するにつれて、変化はたくさん生まれていると。

「そうですね。最新曲の“BAD愛”では、初めてコライトにチャレンジしました。サウンドプロデューサーの宅見将典さんのトラックに、私が鼻歌で出たメロディと歌詞を乗せていくっていう。これまでにないリズムも取り入れたフレッシュな仕上がりになっています。

本当に日々、発見と挑戦ですね。それをしないと自分が飽きちゃうので(笑)。ライブだったら、アコギの弾き語りとバンドのスタイルを両方やりたいし。引き続き、成長していきたいです」

 

GLIM SPANKYから導き出した、パンチのある惹き込まれる声

――そして最後は、GLIM SPANKYの“愚か者たち”です。

GLIM SPANKY 『LOOKING FOR THE MAGIC』 ヴァージン/ユニバーサル(2018)

「GLIM SPANKYとの出会いは高校のときで、NICO Touches the Wallsと同様にコピーバンドをやってました。ジャンルに囚われてないつもりだったんですけど、GLIMを聴くと〈私はロックが好きなんだな〉と再認識する次第です。2人のユニット編成というのが新鮮で、なおかつボーカルもギターも圧倒的にカッコいい。松尾レミさんの声は天性のものですよね。

私はカラオケが好きで、歌えるようになりたい曲をひとりで練習しつつ、いろんな声の出し方を覚えることを当時やっていたんですけど、レミさん独特のハスキーな声は真似できませんでした。低く聞こえるわりに、キーはめっちゃ高かったりもするから。

でも、パンチのある、惹き込まれる声を、自分なりに探していくきっかけにはなったと思います。ボーカルのニュアンスも勉強させてもらい、さまざまな試行錯誤の末、今の歌い方に至ったので。GLIM SPANKYはカラオケでよく歌ってましたね。“愚か者たち”以外だと、“東京は燃えてる”“怒りをくれよ”“褒めろよ”とか」

――言葉の強さもありますよね、GLIM SPANKYは。

「情熱的な歌い回しを含め、そこも好きな部分です。どうすれば聴き手の不意を突けるか、心を掴めるかは、曲を発信して反応をいただけるようになってから、より深く考えてますね。歌詞の強みを持たなきゃいけないなって」

――メジャーデビュー曲の“愛でてよベイベー”は、まさにガツンとくるインパクトがありました。

「いい意味でふざけられたと言いますか。遊び心をうまく活かせて、純粋に楽しく作れた実感があります。〈目で〉〈愛で〉〈メーデー〉とあえて果敢に重ねるサビは鮮烈だと思うし、ギターリフをずっと弾きながら歌っているのもポイントです」

――音楽遍歴や人生を辿るような5選でしたけど、振り返ってみていかがですか?

「ロックを感じること、カッコいいと思えることが、私にとっては大切なんだと改めて自覚できました。過去の扉を開いて、本当はもっと洋楽が、海外のメロディやリズムが好きなこともようやくわかってきた気がします。

〈音楽を真剣にやってみよう!〉となったのがまだまだ最近すぎて、現在進行形で自分を確立していってるみたいな感じ。マイケル・ジャクソンの映画『Michael/マイケル』を観て、今は“Billie Jean”にときめいてるんです」

 

ライブでは驚きと衝撃と刺激を与えたい

――最後に、この夏のライブについて伺えればと思います。まずは、7月14日に新代田FEVERで開催されたHOT STUFFの主催イベント〈Ruby Tuesday 68〉(出演:めっちゃ美人、ラナメリサ、Doona、The Slumbers)。

「今回はドラムとベースを迎えたバンドセットで出演させていただきました。みんなで音を出し合う、バンドならではの雰囲気が本当に好きで、変に取り繕うこともなく、自然体で楽しく演奏することができました。

若いお客さんが多く、会場全体のテンションも高くて、とてもパワフルなイベントでした。自然と体を揺らしながら聴いてくださっていて、私の音楽を楽しんでくれているのが伝わってきました。目を見て聴いてくださる方もいて、その分、私もその気持ちに応えようと思いながら歌えて、とても楽しかったです」

――8月14日(金)は、北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージで開催される〈RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO〉。自身初のフェス、おめでとうございます※。

※計352組から音源審査・ライブ審査を見事潜り抜け、ラナメリサとDoonaの2組が〈RISING★STAR〉として出演予定

「ありがとうございます。私もびっくりしています。初日のトップにアコギ弾き語りで演奏させていただくんですけど、お客さんはどんな雰囲気なのか、まったく想像がつかない。正直、野外フェスに行った経験すらなくて。観るよりも出るほうが先になってしまいました(笑)。現地の温度感を知ること込みでワクワクしかありません。

5月の最終ライブ審査は途中、感極まってしまう場面もありましたが、フェス本番はバシッと歌で魅せられるようにがんばります!」

――8月23日(日)には、渋谷TOKIO TOKYOでラナメリサさんの自主企画〈太陽に妬かれて Vol.3〉(ゲスト:REJAY)が開催です。

「こちらはバンド編成です。今年から始めた人生初企画の第3回なんですけど、ゲストにも喜んでもらえて、私も全力で楽しめるように、いいとこ取りをしていきたい。そして、新しいことを常にやっていきたいと思ってます。

どのステージにおいても、やっぱりライブはどれだけ驚いてもらえるか、面白いと思ってもらえるか。自分が飽きないためにも、観てくださった方に衝撃を与えられる、刺激的な場にしたいです」

 


LIVE INFORMATION
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO
2026年8月14日(金)北海道 石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
開場/開演/終演:10:00/14:00/23:00 予定

ラナメリサ presents「太陽に妬かれてVol.3」
2026年8月23日(日)東京・渋谷 TOKIO TOKYO
開場/開演:17:30/18:00
ゲストアーティスト:REJAY
料金:3,300円
一般発売:https://eplus.jp/sf/detail/4454110001-P0030003?P6=001&P1=0402&P59=1
受付期間:2026年4月25日(土)10:00〜2026年8月21日(金)18:00

 

RELEASE INFORMATION
ラナメリサ『BAD愛』

リリース日:2026年4月22日(水)
品番:DISA-0951
配信リンク:https://lanamelyssa.lnk.to/Callingitlove

TRACKLIST
1. BAD愛
2. 夏一辺倒

 

■SNS
ラナメリサ Official YouTube Channel:https://youtube.com/@lana_melyssa
Instagram:https://www.instagram.com/lana_melysss
TikTok:https://www.tiktok.com/@lana_melysss
X:https://x.com/Lana_Melysss
ラナメリサ_STAFF X:https://x.com/LanaMelyssa_mgr
フォーライフミュージック ラナメリサ:http://www.forlife.co.jp/artist/fl01570/

 


PROFILE: ラナメリサ
BORN ON 12.28 / YOKOHAMA
中学の部活をきっかけに独学でアコースティックギターによる作詞作曲を始める。2023年からシンガーソングライターとして、横浜を拠点に本格的に活動を開始。ライブハウスや、Instagram、TikTokなどのSNSでも精力的に発信を行っている。2024年に未発表のオリジナル楽曲“エロス”“愛でてよベイベー”の歌唱動画が各SNSで話題となり、関連投稿の累計再生回数は数百万回を突破。2025年4月からNACK5にてレギュラーラジオ番組「ラナメリサのきいてよベイベー」のパーソナリティを担当。自然体で等身大なキャラクターが魅力のシンガーソングライター。同年11月にシングル“愛でてよベイベー”でメジャーデビュー。2026年8月23日に自主企画ライブ〈ラナメリサ presents「太陽に妬かれてVol.3」〉の開催が決定している。