「男女7人夏物語」で大々的にフィーチャーされた美・G・M
とはいえ、日本においてシャカタクの人気は、一発屋のそれとは大きく違って思いのほか長く続いていく。『Night Birds』の翌1983年には来日公演を果たし、その模様はライブアルバムとしてリリースもされた。1984年にシングル“Down On The Street”を全英トップ10に送り込み、同タイトルのアルバムもスマッシュヒット。

その後、本国ではチャート的に目立つような活躍が少なくなっていくが、日本ではトレンディードラマの先駆けとして知られる「男女7人夏物語」の劇伴で大々的にフィーチャー(オープニングクレジットにはSHAKATAKUと表記されている)。それは1986年のこと。劇中で流れるシャカタクの楽曲はこのドラマのために提供されたものがほとんどで、このときに日本のみでリリースされたアルバム『Into The Blue』は完全にドラマのサントラと言ってもいい。


ちなみに、LPの帯に書かれたキャッチコピーは〈エメラルド・ブルーの誘惑……シャカタクが日本のファンのために贈るスペシャル美・G・Mアルバム〉……美・G・M。ホワイトバックにパームトゥリーという、明らかにリゾートブームに乗ったアートワークがまぶしい。部屋の壁に飾っておくのもオシャレだ。このアートワークの打ち出し方は同時期に大人気だった1986オメガトライブなどシティポップと通じる世界観だが、こうなるともう、日本のマーケットに根付いたとでも言うか、日本のポップスもかなり洗練されてきた時代だったこともあるけれど、リスナーもシャカタク=洋楽を聴いているという感覚ではなくなっていたかも知れない。
イイじゃん、シャカタク
以後、1987年の『Golden Wings』、1988年の『Da Makani』、1989年の『Niteflite』……と、アルバムもしばらくはファンの多い日本のみでのリリースが中心だったが、ビル・シャープとロジャー・オデルのソングライティングコンビとボーカルのジル・セイワードという初期メンバーはそのままに、長いブランクを空けることなく作品を作り続け、今も元気にステージに立ち続けている。
いまとなっては日本だけでなく、本国イギリスでも根強い人気を保ち続けているシャカタク。最新アルバムは2023年の『Eyes Of The World』だが、〈あっ、これこれ〉という懐かしい感覚もさること、近年はスムースジャズ的な風味が前に出ていることもあって、インコグニートやブラン・ニュー・ヘヴィーズなどかつてのアシッドジャズ界隈のグループ(今もみんな元気!)なんかと同じ耳で聴ける。80年代当時のブームを知る世代には〈シャカタク、まだやってるの?〉なんて半笑いで言う人もいるかと思うけど、そういう人ほど聴いてみると〈イイじゃん、シャカタク〉ってなるような気もするなぁ。
