左から、上原ゆい、宮城マナミ、山川まゆみ、宮城汐花

〈ユイマール〉を生きるグループの多彩な音楽のはつらつとした優しさ

 ♪ユイユイユイユイユイマールというくりかえしが印象的な“ユイユイ”を覚えている人もいるだろう。テレビ番組「ひらけ!ポンキッキ」で34年前に紹介された沖縄の山川まゆみの歌だ。その彼女が率いるゆいゆいシスターズがアルバム『天まで届けシトゥリトゥテン』を発表した。

 「ユイマールは、お互いに手を取り合い、助け合っていくよっていう意味です。現実には辛いことも思い通りにいかないこともいっぱいっぱいありますが、どんなに困難な時も助け合っていこう、という気持ちを楽曲にこめて、歌を通して笑顔になってもらいたくて作りました」と山川まゆみは言う。

ゆいゆいシスターズ 『天まで届けシトゥリトゥテン』 RESPECT(2026)

 ゆいゆいシスターズは、当時“ユイユイ”のヒットを受けて、山川の師匠・上江洲由孝の門下生で結成された。沖縄の音楽には女性4人組が多く、民謡とポップスをミックスしたフォーシスターズに続いて、でいご娘、ネーネーズ、ゆいゆいシスターズ、うないぐみなどがその伝統を担ってきた。民謡には縁遠いが、沖縄出身のSPEEDやMAXも4人組だった。

 ゆいゆいシスターズは、山川まゆみが体調を崩して休んでいた時期をはさみ、15年に活動を再開。現在のメンバーは、彼女と、30年来の仲間の上原ゆい、山川の娘の宮城マナミと宮城汐花。『天まで届けシトゥリトゥテン』はこの4人での初のアルバムだ。シトゥリトゥテンは“テンヨー節”や“豊年音頭”を通して広まった民謡のかけ声。

 アルバムは新曲と民謡と“ユイユイ”の最新ヴァージョンで構成されている。編曲は沖縄でジャズのビッグ・バンドを率いる真栄里英樹と、琉球古典音楽の俊英・大城隆幸が担当。民謡とポップスを往還する多彩な演奏にのった4人のユニゾン・コーラスやソロが実にはつらつとして明るい。一歩踏みこんで聞きたい人には、詳細な解説もついている。

 「休んでいたとき、下ばっかり向いてはいけないよって教えてくれたのが沖縄の音楽でした。心を浄化されたというか、歌三線に救われました。その力が少しでもみんなに届けられたらいいなって思っています」

 沖縄の音楽は美しい自然や歴史の紆余曲折や米軍基地と関連して、意味づけして語られがちだ。しかし山川まゆみの言葉にあるように、まずは音楽から気持ちが感じられるかどうかが大切。周囲の人たちやファンに助けられていまの自分があると彼女は語っていたが、彼女たちの音楽の優しさからは、ユイマールを生きる謙虚な思いやりが伝わってくる。

 


LIVE INFORMATION
ゆいゆいシスターズ単独公演

2026年10月16日(金)沖縄・与那原町 上の森かなちホール
開場/開演:18:00/18:30
ゲスト:真栄里英樹/大城貴幸/バンドメンバーのみなさん

2026年10月30日(金)大阪・港区 世界館
開場/開演:18:00/18:30
ゲスト:大城貴幸

https://www.respect-record.co.jp/yuiyui/