「好きな音楽家のことを、気心の知れた友だちと語りあうのは楽しい。」あとがきのこの一文こそ、この作品の本質である。音楽案内人:黒田恭一の珠玉のエッセイ集がMUZAK BOOKSより刊行。彼が出会って、聴いてきた音楽を暖かくもユーモア溢れる文章で綴った43篇のエッセイを収録。ただウンチクや自慢をひけらかすわけではない、それはさながら楽しい思い出語り。彼の話を聞くと思わずその音楽を聴いてみたくなる。ところで彼自身ドラクエファンとして有名だからか「すぎやまこういち」の章はいやに力が入っているように思えた(笑)。そう、この章に限らずだがすべての文に音楽愛が溢れているのだ。