映画を響かせる「音」の作法について書かれた本、意外にもたくさんある。いくつか読んでみるが、だいたい、音響の心理的効果のところで怪しい影が読書意欲に差してくる。ある音が不特定多数にとってある一定の効果が見えるようになったころ、その音はおよそ陳腐化してくると思う。学ぶということはある経験についての知識を共有することでもあるとは思う。さて、この本、いいなあと思うところがひとつ、そしてそのことで最後まで読めた。映画に必要な音をまず、脚本にある音、ない音に分類するこの発想に納得。この分析があることですべてが非常に効果的な言葉となった。