全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュに繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、相対性理論神聖かまってちゃんクリープハイプceroKANA-BOON、洋楽ではストライプスチャーチズR・シティといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメ・アイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお届け! 今回は1月度の洋楽編です!!

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タワーレコード本社で行われたタワレコメンの会議。今回もスタッフたちが〈これぞ!〉というオススメ作品を持ち寄り、タワレコメンの座を獲得すべく熱いプレゼンを繰り広げました。何百タイトルという新作のなかから候補作に挙がったのは……!?

 

まずは、イタリア発ジャズ・バンド、シュガーパイ・アンド・ザ・キャンディメンの新作『Let It Swing』。今回はなんと全曲ビートルズのカヴァーということで、キュートで小粋なスウィングにリメイクされた名曲群が、会議を冒頭からファンなムードに染め上げました。推薦バイヤーも〈ビートルズのカヴァーは世に数多くあれど、ここまでクォリティーの高い作品は珍しい!〉とアピール。

 

続いて、カナダはモントリオール出身の3人組、ソウルの初作『I Become A Shade』が2店舗からの推薦を受けて登場。切ないドリーム・ポップを下敷きに、AOR的な洒脱さが加わり、クリスタル成分多めのシティーなサウンドを鳴らしています。担当スタッフも〈ロイヤル・コンセプトスモールプールズ級のヒット・ポテンシャル〉と大プッシュ!

 

メイヤー・ホーソーンの初作を彷彿とさせる甘茶ソウルでスタッフをうっとりさせたのが、ニュージャージーから登場したデュオ、ジャック・ムーヴスの『The Jack Moves』。シルキーで艶のあるファルセット・ヴォイスと菅弦楽器がふんだんに使われた華やかなサウンドで甘いメロウネスを紡いでいます。〈往年のソウル・ファンからタキシードに夢中の若いリスナーまで両方ハマる〉と会議でも高評価を獲得!

 

次は、同じくニュージャージー出身のシンガー、チャーリー・プースの初作『Nine Track Mind』。彼は映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」の挿入歌として大ヒットしたウィズ・カリファ“See You Again”にフィーチャーされ、一躍その名を広めました。美しい鍵盤の音色と優しいメロディーが織り成す珠玉のポップ・サウンドはもちろん、あどけなさが残る美青年ルックスも魅力。アルバムのリリースを経て、ますます人気が高まりそうです。

 

続いてプレゼンされたのは、オーストラリアはブリスベンから登場した17歳の歌姫、グレイスの初EP『Memo』。すでにレスリー・ゴーアのカヴァー“You Don't Own Me”は豪チャートで1位を記録。ムーディーな当世R&Bサウンドを渋味たっぷりの歌声でスモーキーに歌いこなす姿に、推薦バイヤーは〈次のロード候補!〉とプッシュしていました。

 

そして、スウェーデンはストックホルム出身の3人組バンド、ケイト・ボーイの初作『One』が登場。ダンサブルなエレクトロ・ポップにはチャーチズリトル・ブーツが思い出されますが、ヴィンテージ・シンセならではのバキバキすぎない音が上品かつ、ちょっとニューエイジな質感も◎!

 

スクリレックス×スリップノット〉と気にならざるを得ない煽りでバイヤーから紹介されたのはザードニックの『Antihero』。プレデターを思わせるマスクを被ったDJ/トラックメイカーによる新作です。サイバーなシンセサイザーとノイジーなギターが激突する重量級ドラムンベースEDMに、会議スタッフもどよめいていました。

 

次は、スウェーデンの男女5人組バンド、ラストの初作『Lust』。シューゲイザー風のギター・サウンドのなかを、透明感溢れる三声の女性ハーモニーが舞い躍っています。推薦バイヤーは〈4AD好きにもアピールできます!〉とダークで耽美な魅力を強調。

 

続いて、まろやかなヴィンテージ・ソウル・サウンドが魅力の南カリフォルニア発のトリオ、DW3の2作目『Vintage Truth』が登場。芳しくスムースなサウンドと甘いハーモニーは心地良い温かさをまとっており。スタッフからも〈いまのシーズンにぴったり〉という声が上がりました。

 

最後は、がんばり続ける人のための応援歌“Fight Song”が世界各国でヒットしたレイチェル・プラッテンの新作『Wildfire』。実は活動歴10年以上のヴェテラン・シンガー・ソングライターなのですが、これまではなかなかヒットに恵まれず、夢半ばで挫折しそうになったとき、自分を奮い立たせるために作ったのが同曲なのだそう。それが、多くの人々からの共感を集め……と、まさに「ロッキー」のようなストーリーに胸が熱くなります!

 

ということで、今回も多彩な作品が並んだタワレコメン会議。多数決で選ばれたのは……!?