前向きな紆余曲折と実り多き試行錯誤の10年をアルバムと振り返る

2005

lecca 烈火 ALPHA ENTERPRISE(2005)

PANGMEGARYUとの仕事に前後して、このフル・アルバムでインディー・デビュー。上昇志向を窺わせる“NO.2”などハードに気炎を上げる曲が目立つなか、ユーモラスな“シングルトン・ロード”などトラックの彩りも光る。

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2006

lecca Dreamer cutting edge(2006)

メジャー・デビューを飾った5曲入りのミニ・アルバム。ダンスホール主体でゴリッと貫通した前作のカラーも活かしながら、表題曲や“Friends”ではゆったりとソウルフルな歌唱も披露し、後の振り幅の広がりも予感させる。

 

lecca URBAN PIRATES cutting edge(2006)

『Dreamer』から4か月のスパンで投下されたメジャーでの初フル・アルバム。骨太でかっこいい“What a girl can do”を筆頭に、情熱的なフロウとカラフルなリディムが個性的な響きを創造している。粗削りな良さも含めて完成度は相当高い!

 

2007

lecca おたくgirlsの宴 cutting edge(2007)

バウンシーな冒頭の“Outsider”から決然とストイックな“スタートライン”、SOULHEADTSUGUMIを招いた“Home party”など、ダンスホール色を濃くして曲ごとの強度を増した一作。シメの大らかな“DREAMLAND”も良い。

 

2008

lecca マドのむこう cutting edge(2008)

クリストファー・バーチ製のリディムでSEEDAと熱く絡む“UN-SOLO”が話題となった、5曲入りのミニ・アルバム。春を待つ季節に出た作品という背景もあってか、“なみだの日”や“私の履歴書”のリリシズムにグッとくる。

 

lecca City Caravan cutting edge(2008)

〈キャラヴァン〉をテーマにしたコンセプト作。ということで、アフロやロックなど多様なサウンドを巡りながら、集団の中で過ごす日常を描いていくという構成が上手い。ヴォイスメールDiggy-MO'との手合わせにも注目だ。

 

2009

lecca BIG POPPER cutting edge(2009)

先行シングル“For You”のヒットに続いた、いわゆるブレイクの一枚。アッパーな“紅空”やスケールの大きい“軌道修正”、妖美な“Let's get out”などキャッチーさが多面的に追求されるなか、ポップな包容力を増した歌心が頼もしく広がる名作だ。

 

2010

lecca パワーバタフライ cutting edge(2010)

先行ヒットした名曲“My measure”や九州男との“TSUBOMI”も含み、前作以上の成功を収めた大作。LUNAJAMOSA、TSUGUMIとの4本マイク曲やシャギーとのコラボもいいが、朝本浩文によるブーミーな“未来カメラ”が圧倒的。

 

2011

lecca 箱舟~ballads in me~ cutting edge(2011)

出産を控えて制作されたミニ・アルバム。じっくり歌を届ける作りは〈バラード・プロジェクト〉なるテーマ通りだが、“マタイツカ”などゆったりビート感を纏った作りは彼女らしい。三浦大知との“First Sight”が絶品。

 

2012

lecca Step One cutting edge(2012)

幕開けから力強く踏み出し、Nao'ymtINORANドン・コルレオーンの仕事を含む多様な意匠にEMI MARIAとの“Dreaming of you”も交えた一枚。本作を引っ提げてのツアー・ファイナルでは初の日本武道館公演を敢行した。

 

lecca ZOOLANDER cutting edge(2012)

序盤からトップギアで駆け抜ける、この年2枚目のアルバム。EDM調の“Sunshine”からCIMBAを迎えたドラマティックな“Guiding Star”までカラフルで、John Fonteindee.cWolfJunkらを起用したアレンジの彩りにも注目すべし。

 

2013

lecca TOP JUNCTION cutting edge(2013)

ロッキッシュな“RUNWAY”での幕開けから力強く、結びの“JUNCTION”へと至る終盤の流れで深みを感じさせる岐路の一枚。RHYMESTERとの“Sky is the Limit”、TEEとの温かいデュエット“Back to U”というコラボも収穫に。

 

2014

lecca tough Village cutting edge(2014)

ジャケが示す通り、意図してレゲエ感を前に出した夏の意欲作。持ち前のバランス感覚を働かせつつ、JUMBO MAATCHとのホットなコンビ曲“Vibes Up”、774のオケを採用した“JUST 1 TIME”を配し、メロウな後半も心地良い。

 

2015

lecca 前向き cutting edge(2015)

第2子の出産直前に完成された、現時点での最新オリジナル作。配信ヒットした“live again”を筆頭に、アルバム全編を通じて心を燃やすことの大事さを真摯に訴えてくるのは、ド直球な表題の通り。破顔したジャケも実に印象的!