R&Bと昭和歌謡のフレイヴァーをバランス良く配合した、新しくもどこか懐かしい音楽――大阪発の男女デュオがメジャー・デビュー!

 HODAKAMA'LILによる男女ヴォーカル・デュオ、JamFlavorがメジャー・デビューを果たす。もともとはソロで活動していたという2人だが、「同じイヴェントに出演したのが出会いで。5年ほど連絡を取っていなかったのですが、たまたまMA'LILのライヴ動画を見て〈これや! この声や!〉とひとりで言っていました(笑)。それで連絡して」(HODAKA)一気にユニット結成に至ったのだとか。大阪で精力的にストリート・ライヴを行い続け、じわじわと認知を広げてきた彼らは、2014年にミニ・アルバム『Tasting』を発表。そしてこのたび完成させたのが、メジャー初作となる5曲入りの作品『恋い焦がれ恋に瀕死』だ。タイトルからしてインパクト大の表題曲は元ラムジ井上慎二郎が提供した、大人の恋愛ストーリーをニュー・ジャック・スウィング調のサウンドで包んだキャッチーな逸品。ソウルフルでいて昭和の歌謡曲っぽいテイストを備えたこの曲のバランス感が、JamFlavorのカラーを決定付けている。

JamFlavor 恋い焦がれ恋に瀕死 avex infinity(2016)

 「歌謡曲っぽいのは意識的です! 〈新しいけど、どこか懐かしい音楽〉をめざしていて、歌謡の要素を匂わせながらも、そこに現代のリズムやメロディー、歌詞を乗せることで、新しいジャンルを作っていきたいんです」(MA'LIL)。

 ジャジーな“記憶のメリーゴーランド”では、とりわけ歌謡曲の要素を濃くしたとのこと。その一方で、メンバー2人が手掛けた“Let go”と“Never give up”は王道のR&Bとして享受できるメロウな仕上がりだ。90sタッチのアレンジも印象的だが、このサウンドも懐かしさが感じられるところから選ばれたもののようだ。

 「最近はリズムやノリ重視の曲が多いですが、90年代の音楽は哀愁に重きを置いているという感じがします。多少音程やリズムがズレたとしても、ニュアンスや表現として良いものが出せていたらOK、というくらいの人間臭さがあって魅力を感じていますね。“恋い焦がれ恋に瀕死”も、まさに現代と当時の音楽を掛け合わせたような曲だと思います」(HODAKA)。

 「私は90年代(の音楽)は後追いです(笑)。でも、母とカラオケに行くことが多いから、もっと昔の曲も結構知っていて、特に鈴木聖美さんの“TAXI”は好きな曲です。そういう時代の音楽は、歌詞が一直線に入ってくるところや、シンプルかつ深みがあるところが良いですね」(MA'LIL)。

 “TAXI”と言えばカラオケのド定番だが、JamFlavorの楽曲も良い意味でカラオケ映えするだろう人懐っこさがある。共に20代の2人が、昭和歌謡も90sのフレイヴァーもフレッシュに吸収して作り上げた本作は、そのミックス具合がなんだか新しい。