Photo by Yasunari Akita

カルメラは、自他共に認める〈エンタメ・ジャズ〉バンドだ。スウィング~ビバップからクラブ・ジャズをベースに、ロックやラテン、ポップスなど、何でも咀嚼してしまう高度な演奏力。そしてひとたびステージに立つと、ダンスにコスプレと何でもありのパフォーマンスでオーディエンスをとことん楽しませる、何ともエネルギッシュな関西出身の8人組だ。

そんな彼らが2014年作『ゴールデン・バラエティー』以来となるニュー・アルバム『REAL KICKS』をリリース。2年をかけてライヴで磨き上げ、緻密なアレンジと迫真の臨場感を共にパッケージした11曲は、音楽監修を務めた映画「ロマンチック・ハイボール」の主題歌“No Chaser”や、SONY〈h.ear×WALKMAN®〉のCMソングになったナンバー“犬、逃げた。-ver.2.0-”など、キャッチーで主役級なナンバーがズラリと並ぶ。今回は、『REAL KICKS』(=なんかゾクゾクする)と名付けられたその自信作について、西崎ゴウシ伝説(アジテート/トランペット/パーカッション/ギター)、PAKshin(ピアノ/オルガン/キーボード)、宮本敦(ギター)の3人にたっぷりと語ってもらった。

カルメラ REAL KICKS B.T.C(2016)

昔は哀しいメロディーとコードの組み合わせばっかり考えていた

――バンドが東京に拠点を移して、そろそろ3年でしたっけ?

西崎ゴウシ伝説「4月で丸3年になります。でもいまだに東京に住んでる実感があんまりないんですよ」

――おや、それはなぜ?

宮本敦「ライヴがしょっちゅうあって、あちこちフラフラしているので、月の半分ぐらい家にいないんですよ」

ゴウシ「東京にいる時も家かスタジオにいるので、大阪だろうが東京だろうがどこでも一緒かな(笑)。違いは家賃が高いぐらいですかね」

宮本「僕は曲作りをする時に散歩をするんですよ。いまの時期であれば桜についてとか、何か曲のネタになるものを求めて歩き回ることが多くて。東京は街が多いので飽きないです。例えば昨日は新橋のあたりをブラブラしてたんですけど、サラリーマンをじーっと見て、動画を撮ってみたりして。撮影した動画を早送りに編集して、〈これに曲をつけられるかな?〉と考えたりしています」

――ほう。今回のアルバムのなかで、そのようにして作った曲はあります?

宮本「散歩で見た景色から生まれたのは“Flyover”ですね。この曲はドラマのワンシーンとかで使われることをイメージして作りました」

――イメージ先行型ですね。PAKshinさんはどんなタイプ?

PAKshin「僕はその時々に拠りますね。例えばアルバムの9曲目“Euphoria”は、初めから完全にイメージが出来ていて。曲名は〈多幸感〉という意味ですけど、ライヴ時のフロアの景色から発想して、逆算的に曲にしていった感じです。漠然としたイメージから、ちょっとずつ形にしていく時もあれば、逆にふっと浮かんだメロディーから作っていくこともありますし、毎度毎度で違いますね」

ゴウシ「僕は思いつきから一気に最後まで作りますね。アルバムからだと“鍋屋横丁の夜明け”は、原付で走っている時に出来ました。ちょうど鍋屋横丁のあたりを鼻歌で気分良く歌いながら走っていたら、〈これや!〉と思って、止まってメロディーをレコーダーに吹き込んで。その場で1曲が出来上がりました」

宮本「すごいな(笑)」

ゴウシ「“LAPLACE’S DEMON”と“紡”も鼻歌で。僕はイメージというよりは、メロディー先行が多いです。その後、〈これは春っぽいからそういった編曲にしよう〉とか、微調整はしていきますけど」

西崎ゴウシ伝説

――曲の作り方はずっと変わらない?

ゴウシ「いや、バンドを始めた頃は哀しいメロディーを作りたいと思ってやっていて、ここ(ゴウシ&宮本)が創設メンバーなんですけど、2人で集まって哀しいメロディーとコード進行の組み合わせをいつも考えていました。だから初期の頃はマイナー調の曲ばっかり出来ましたね」

――いまとは全然違いますね。どこで突然明るくなったんですか(笑)?

PAKshin「いまのメンバーになってからじゃないですかね」

ゴウシ「でも初期の頃からアホなことをしようとは思ってました。〈プロポーズ大作戦〉のテーマ曲を、必ずライヴの初めにやるとか」

宮本「やってたな~(笑)」

PAKshin「それから始まるけど、本編は哀しい曲ばかりなんですよ(笑)」

――お客さんからしたら、どうしていいかわからない(笑)。

宮本「いま思えば、そういうことやったんですよね。当時は〈なんでウケへんのやろ?〉と思ってましたけど(笑)」

ゴウシ「僕はクラシック出身なんですが、もともとは〈クラシック的に考えてこのメロディーとこのコード進行が重なると胸が締め付けられるよな〉といった曲ばかり作っていました。でもライヴをしていくなかで、特にここ4~5年はお客さんの反応をチェックして、自己満足的な部分を取り払っていった。もちろん自分たちのしたいことをやっているんですけど、〈お客さんはこういうのが楽しいだろうな〉ということを、ずいぶん考えるようになりましたね」

カルメラオーケストラによる、カルメラの2012年作『千日前HIGH COLORS』収録曲“ムーンビーチ”のパフォーマンス映像

 

※カルメラオーケストラ:〈楽器を通して全国の人と繋がりたい!〉という想いから始まったカルメラの別プロジェクトで、オフィシャルサイト上で無差別にメンバーを公募し、合宿を行ったり(!)するなど定期的に活動している。昨年は〈すみだストリートジャズフェスティバル〉に出演も詳細はこちら

宮本「音楽的な話で言うと、コードはメジャーの組み合わせより、マイナーの組み合わせのほうがいっぱい出来るんです。なのでマイナーから作りはじめればどうとでもなるけど、メジャーからだとメジャーのコードしか出来なかったりして。なのでマイナー・コードのほうが作ってておもしろいんですよ」

ゴウシ「いまでも原則は、メジャー(・コード)でもどこか切なく感じる曲にすることです」

――それはすごく感じますよ。カルメラはイケイケな曲にもどこか切ないポイントが必ずあって。

宮本「そこに関してははこだわってますね」

PAKshin「作っていると、意識してなくても自然にそうなるんですよね」

 

インスト・バンドというジャンルに一石を投じたい

――それではニュー・アルバム『REAL KICKS』について、がっつりと訊かせてください。2年ぶりということで、ちょっと久々のリリースですね。

ゴウシ「今作は、この2年間にライヴでやり続けていた曲を中心に収録しました。これまでは、レコーディング直前にいろいろ変えたりして、後で〈やっぱりああしておけば良かった〉と思うこともあったんですけど、今回はライヴでお客さんの反応を見ながら2年間かけて作ってきた曲ばっかりで、〈この曲ではお客さんはこういうリアクションをする〉というのが大体わかっていたので、作りやすかったですね」

――アルバムのコンセプトが先にあったわけではなく?

宮本「コンセプトはなかったです」

ゴウシ「ただ、すべての曲をシングルで出すつもりでいつも作っているんですが、シングル曲としては少し弱いかなというものはアルバムから惜しくも漏れていきましたね。〈捨て曲なし〉を、これからも継続していきたいと思ってます」

カルメラの〈りんご音楽祭2013〉でのパフォーマンス映像

 

――前作の『ゴールデン・バラエティー』は、その名の通り思い切り幅広くヴァラエティ豊かな作品でしたが。

ゴウシ「今回も結果的に〈ヴァラエティ〉でしたね」

宮本「はっきり言って、むちゃくちゃですね(笑)」

――ですね(笑)。昭和のジャズ歌謡みたいな“鍋屋横丁の夜明け”や、爽やかサンバな“Euphoria”、女性コーラスが入ったサーフ・ロック風の“君とハネムーン”もいいですよね。ただ、歌詞の意味ががまったくわからない(笑)。

宮本「わざと意味のわからない言葉を並べています(笑)。僕がメロディーを作って、〈ここに何か言葉を入れたいね〉と言ったら、ゴウシくんがそこから考えはじめて」

ゴウシ「(“君とハネムーン”冒頭のヴォーカル部)〈トゥトゥトゥントゥートゥ~♪〉というメロディーに言葉をいろいろと当てはめていったんですよ。〈ルクセンブルク、イスタンブール、ハリソン・フォード~♪〉とか(笑)。そしたら〈イスタンブールでハネムーン~♪〉と誰かが言い出して」

宮本「いがっちょ(西井“いがっちょ”啓介/ドラムス)さんやと思う。その結果、〈イスタンブールでハネムーン、オーシャンビューよりラヴィンユー~♪〉になった(笑)。そういった僕らのノリをそのまま曲に持ち込みたいという意図がこの曲にはあったんですが、ポップでアホな感じは上手く出せたと思います」

PAKshin「逆に“Little Brown Carol”は、一番わかりやすいジャズ曲で。音の質感も、往年のビッグバンドみたいなサウンドをめざして録音しましたし、ミックスにもこだわってその頃の音に近付けました」

PAKshin

ゴウシ「マイクの置き方にまでこだわって」

PAKshin「いい意味でクリアすぎない。この曲はぜひアナログで聴いてみたいですね」

――1曲目の“No Chaser”は、映画「ロマンチック・ハイボール」の主題歌にもなっているんですよね。しかも映画にはメンバーも出演していると。

PAKshin「もともと自分たちで企画をして、遊びじゃなくちゃんとした映画を撮りたいと思っていたんですよ。そこに映画監督の木下半太さんが協力してくれて、業務提携というか、力を合わせて作りましょうと」

宮本「一番始めは曲の前後にドラマがあるような、10分ぐらいのミュージック・ビデオを映画監督に撮ってほしいという話だったのが、どんどん膨らんでいったんです」

PAKshin「出来上がりはちゃんとした映画になりましたね。僕らの音楽はインストでヴォーカルがないぶん、どのシーンにも溶け込むんです。劇中では『REAL KICKS』の曲がサントラとして使われているんですけど、それも楽曲の新しい見せ方じゃないかと思っています」

宮本「カルメラはいろいろなパターンのナンバーがあるので、あらゆるシーンにハマるんですよ。それが気持ち良かった。僕の作った“Flyover”も、もともとトレンディー・ドラマをイメージして作ったもので、仮タイトルが“トレンディ”だった(笑)。そのイントロのギターが、ちょうどいいシーンで入るんです。〈そう、そこ!〉っていう感じの」

映画「ロマンチック・ハイボール」特報映像

 

宮本「逆に主題歌の“No Chaser”が本編の序盤にさらっと流れるから、ほかの曲のほうが耳に残るかもしれない」

ゴウシ「ほんまやな。主題歌やのに(笑)」

――いや、“No Chaser”のキャッチーなメロディーは強力ですよ。一発で覚えました。

宮本「リズム隊は速いけどメロディーが大きい曲を作りたかったのと、“犬、逃げた。”とはまた違う疾走感のあるものをと思って出来た曲です。なんだったら、速度がなくてバラードであってもメロディーが残るような曲になればいいなと」

――アルバムの終曲となる“犬、逃げた。”は、もともとCMソングとして作った曲でしたっけ?

PAKshin「そうです。その原型になった曲をもとに、今回“犬、逃げた。-ver.2.0-”にヴァージョンアップしました。さっき言っていたクラブ・ジャズのような速くて盛り上がれるジャズがいいなと思っていた時期に作ったものなので、疾走感に溢れています。SOIL & "PIMP” SESSIONSとか、ああいった先輩たちの存在を大きく感じていて、そこに追い付け追い込せという思いが詰まっていますね。自分たちなりの解釈で、気分が上がる格好良いジャズを作ろうという曲なんですが、今回はさらに進化を遂げています」

――パンク・ロック的な激しさもある曲ですよね。

PAKshin「お客さんも縦ノリなんですよ。ライヴ会場によってはモッシュが起こったりしていて。ジャズでそれが起こるのはすごく珍しいことだと思います」

――出来上がって全体を聴いてみて、どんなアルバムになったと思いますか?

PAKshin「まずはようやくリリースされるんだなと、ものすごく感慨深いです。改めて見ると、アートワークや曲の完成度、ヴァラエティーの度合いなど、すべてにおいて前作よりパワーアップしてるんじゃないかと。最近インスト・バンドで活躍されている人たちはいっぱいいるけど、ジャンルとしてメインストリームと言えるほどではないので、このアルバムをリリースすることでシーンに一石を投じることができたらいいなと思っています」

ゴウシ「インストで、なおかつ管楽器でメロディーを吹くバンドというとスカパラさんが偉大すぎて、管楽器がいるバンド=スカだと思う人が多いみたいなんですね。裏打ちの曲なんてひとつもないのに、〈スカのバンドですね〉ってしょっちゅう言われます(笑)。いつか管楽器=ジャズと言われるようにがんばりたいですね」

PAKshin「本来はそっちのはずなので、それをあるべき形に戻したいなと」

ゴウシ「下剋上や(笑)」

――ということは、〈ジャズ〉というスタイルにはこだわりがある?

ゴウシ「そうですね。メンバーが8人いて音楽の趣味はそれぞれバラバラなんですけど、共通して好きなジャンルがジャズなんです。一見ジャズの要素がない曲もたくさんあるんですけど、実はコード進行がジャズだったり、ピアノやギターの和音をジャズ的なハーモニーにしたり、かなりこだわっています。基本的にはジャズを共通言語として、みんなで曲を作っていますね」

PAKshin「例えばアルバムのなかで僕が作った“Over the Limit”は、ジャズの要素がまったくないように聴こえると思うんですけど、ゴウシが言ったように〈II-Ⅴ‐Ⅰ※1〉が実は多用されていて。僕の弾いているオルガンやエレピの音の積みもテンション(・ノート)をバチバチに乗っけて、そこでジャズのニュアンスを出したりしています」

※ ツー・ファイブ・ワン。ジャズの基本的なコード進行。

宮本「和音が多いからロックよりコード数も多いんですが、カルメラのロックなナンバーはジャズ的な要素が必ず入ってくるのですごく難しいんですよ。それでもギターはロックらしくジャーン!と弾いてほしいとか言われるので、〈簡単に言うなよ!〉と思ったり(笑)。かといってパワー・コードにしちゃうとロックになりすぎるし、そのあたりは気を遣っていますね」

宮本敦

――“紡”のギター・ソロの、ロックのようなジャズのようなむせび泣く感じは、すごくカッコイイです。

宮本「ありがとうございます。ああいった曲こそギターががんばらなあかんと思うので」

――ジャズをもっと細かく言うとスウィング、ビバップからコンテンポラリー・ジャズがあって、さらにクラブ・ジャズものようなものが登場したり――長い歴史がありますよね。皆さんは、すべての年代のジャズが好きなんですか?

ゴウシ「そうですね」

PAKshin「クラブ・ジャズもすごく好きですし」

ゴウシ「スタートとしては、クラブ・ジャズがやりたかったんです。僕がジャズに目覚めたきっかけは須永辰緒さんで、須永さんがコンパイルしているミックステープのような雰囲気のジャズが作りたいと思っていて。なおかつ同時期の小林径さんの〈Routine Jazz〉シリーズも大好きでした。もともとはアシッド・ジャズ・レコードの作品が好きで、それこそ最初はあっちゃん(宮本)と〈アシッド・ジャズ〉をキーワードに曲を作ろうとしてたもんね」

※87年にジャイルス・ピーターソンがエディ・ピラーらと共に設立したレーベルで、後述のコーデュロイやジェイムズ・テイラー・クァルテット、ジャミロクワイにブラン・ニュー・ヘヴィーズらの作品をリリースしている。アシッド・ジャズというジャンル名はここから生まれた

宮本「そうそう。コーデュロイだったり、ジェイムズ・テイラー・クァルテット(JTQ)とか、ジャミロクワイもそうですけど、最初の頃にカヴァーしていたのはそのあたりでしたね」

ジェイムズ・テイラー・クァルテットの87年作『Mission : Impossible』収録曲“Blow Up”

 

ゴウシ「でもやっているうちにJTQやコーデュロイのなかでも、メロディアスな曲ばかりをチョイスしている自分たちがいて」

宮本「ちょっと哀しいメロディーをね」

ゴウシ「そうしているうちにクラブ・ジャズにはハマらないような、コードがどんどん展開していく曲が増えてきて。そこから、ビバップ的な方向へ行ったのかもしれない」

 

ライヴを信条に〈エンタメ・ジャズ〉でありたい

――なるほど。ではいま〈カルメラの音楽性とは?〉と訊かれたら、どう答えますか?

PAKshin「〈エンタメ・ジャズ〉ですね」

ゴウシ「カルメラは振り付けもあったりして、参加して楽しいエンタメという意味もあるんですけど、聴き応えのあるラインナップでありとあらゆる要素がぎゅっと詰まっているという意味でも、〈エンタメ・ジャズ〉でありたいなと思っています。もっと音楽的に言うなら、メロディーをすごく大事にしているところとか」

カルメラの2014年作『ゴールデン・バラエティー』収録曲“SUNSET DRIVER”。映画「サタデー・ナイト・フィーヴァー」的な70'sムードたっぷりなディスコ調ナンバー、サビの振り付けが◎ 

 

――それはまさに。カルメラは口ずさめるメロディーが必ずありますよね。

ゴウシ「親しみやすいという意味では、ジャズ界のなかでもJ-Pop的なポジションでいたいと思っています。ジャズなんやけども、ポップスと言われても全然いいですし。ポップスって、つまりはメロディアスということやと思っているんですが、単調なメロディーの曲は僕らのなかでは消えていきますね」

――『REAL KICKS』も、ライヴで聴くとまた大きくイメージが変わりそうですね。

PAKshin「今回の収録曲はライヴで育ててきたナンバーばかりなんですが、観にきてくれている人は〈あの時聴いた曲や〉と現場との違いを楽しんでもらって、音源から入った人はまずはフラットに聴いてもらって、ライヴではどんなふうになるんだろうと期待をしてほしいので、ぜひ遊びに来てください! ライヴが信条のバンドなので」

――今後のライヴの予定は?

PAKshin「5月7日に東京・下北沢Queで、リリース・ライヴをします。というバンドとツーマンで」

鶴の2016年作『ソウルのゆくえ』収録曲“ローリングストーン”

 

――それはちょっと意外な組み合わせかもしれないですね。

PAKshin「僕らのなかでは全然意外じゃなくて、実際に観てもらえればわかるんじゃないかなと思います。鶴とは親和性が高いと思っているし、1回ツアーに誘ってもらったことがあるので、その縁で誘いました。リリース・ツアーは東名阪福でやるんですけど、鶴のほかに天才バンドTHEイナズマ戦隊とやります」

――うわぁ、めちゃめちゃ濃いですね。

ゴウシ「同世代のジャズ・バンドとはほぼやり尽くしたので、最近は新しい人たちとやりたいというのもあって」

PAKshin「僕ら周辺のジャズ・バンドのライヴに来てくれる人たちの層を、もっと広げていきたいというのもあって。界隈のなかでは、カルメラはほかのジャズ・バンドよりも絶対的に間口が広いと思うので、われわれが出稼ぎに行ってお客さんをいっぱい集めてきて、こっち側のシーンを紹介していきたいんですよ」

宮本「いつだったか、ゴウシくんがライヴのMCで〈入口系ジャズ〉と言ってたよね」

ゴウシ「そう。それまでジャズのバンドは全然知らなかったけど、僕らのライヴを観るようになってからTRI4THJABBERLOOPbohemianboodooなんかのライヴにも行くようになったという人が結構いるんです。そういうのはすごく嬉しいなと」

PAKshin「僕らは2012年から〈JAZZ A GO GO〉というイヴェントを主催しているんですが、いま名前が出たジャズを信条として戦っている仲良しの4バンドと一緒にやっていて。初回は大阪の梅田Shangri-Laで200人弱ぐらい集まって、それでも大成功だったんですけど、去年に心斎橋SUNHALでやった時はソールドアウトして、500人近いお客さんが来てくれたんです。今年も6月26日に代官山UNITでやるんですけど、チケットの売れ行きも好評みたいで、僕たちが思ってたことが少しずつ体現されていってるのかなと」

ゴウシ「僕らが勝手に背負ってる使命感みたいなものを、たぶんほかの3バンドたちも持っているんですね。そういった相乗効果もあって」

宮本「切磋琢磨できていますね。お互いが外に出ていって新しいお客さんを連れてきて、年々いいイヴェントになっていっているなと思います」

――まだまだやることはありますね。結成10年ですけど、落ち着いてはいられないと。

PAKshin「まだまだ全然、これからです」

西崎「もっと若い奴が出てきてくれよ!とは思ってますけどね。いつまで経っても若手と言われるから(笑)」

 


カルメラ〈REALでKICKSなTOUR〉
4月29日(金)宮城・仙台Flying son 共演/ザ・キャプテンズTHE GELUGUGU
4月30日(土)岩手・The five盛岡 共演/ザ・キャプテンズ、THE GELUGUGU
5月1日(日)青森・SUBLIME 共演/ザ・キャプテンズ、HE GELUGUGU
5月7日(土)東京・下北沢Club Que 共演/鶴
5月21日(土)愛知・おおぶ文化交流の杜allobu 共演/カルメラオーケストラ
6月11日(土)福岡・天神Early Believers
6月12日(日)福岡・天神Early Believers 共演/天才バンド
6月26日(日)東京・代官山UNIT 共演/bohemianvoodoo、JABBERLOOP、TRI4TH
7月3日(日)愛知・名古屋JAMMIN’
7月17日(日)大阪・梅田Shangri-la 共演/THE イナズマ戦隊
7月18日(月祝)大阪・梅田Shangri-la

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