©仁礼博

billboard classics SPECIAL ISSUE 01
2012年にスタートして以来、トップクラスのポップス実力派アーティストとオーケストラのコンサートを400回以上開催。クラシック音楽専用のコンサートホールから大型ホールや野外特設会場まで、全国各地で多様なステージを魅せている。歌手やバンドとの多様なコラボレーションを繰り広げ、クラシックアーティストとのジャンルを超えた競演は多くの聴衆に衝撃を与えてきた。極上の音楽体験と鮮やかな照明や演出が魅力のbillboard classics。その中でも特筆すべき公演をピックアップ、インタヴューを交えてご紹介。

 

玉置浩二
©加藤亮

大地に調和した圧巻の歌声とハーモニー

 6月2日、〈billboard classics 玉置浩二 LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT2024「Pastorale」特別公演〉を大阪・万博記念公園で観た。1万3千人が集まった野外クラシックコンサートだ。鳥のさえずりも聴こえてくる雨上がりの鮮やかな緑に囲まれた会場に、柳澤寿男の指揮でバルカン室内管弦楽団 × 大阪交響楽団のフルオーケストラの美しい圧巻の音が広がり、玉置の歌と交差し、溶け合う。途中から落ちてきた雨粒と共に玉置のリアルな歌詞、強くて豊かな言葉達が客席に降り注ぐ。そして聴き手の心を潤す――得も言われぬ感動を届けてくれる玉置浩二というアーティストの凄みを感じると同時に、billboard classicsを象徴するアーティストであることを実感した。毎年進化を重ねながらbillboard classicsのステージに登場し、常に大きな感動を多くの人の心に届けてきた。

 

東京スカパラダイスオーケストラ
©仁礼博

衝撃のセッションと極上の音楽体験

 2012年にスタートしたコンサートシリーズbillboard classicsは、これまでオーケストラとポップスの実力派アーティストとのコラボレーションを中心に、ジャンルを超えた最高の音楽と新しい体験を提供してきた。〈新しいもの〉とは組み合わせる、クロスオーバーさせることによって生まれる。

 想像を超える感動を運んできてくれるのもこのステージの魅力だ。5月25日に野外劇場、河口湖ステラシアターで行われた東京スカパラダイスオーケストラの35周年記念公演は、スカパラ9人が作る音圧、そして服部隆之率いる60人を超える東京フィルハーモニー交響楽団が生む音圧がどう響き合うのか、ぶつかって〈不協和音〉が生まれないか、想像するのが難しかった。しかし服部の采配もあり、そこにいる全ての人が感動する極上の音が生まれた。ゲストのハナレグミ、中納良恵(EGO-WRAPPIN’)の歌からもスカパラへの深いリスペクトと愛情が伝わってきて、至福の時間になった。