建築家、青木淳の作品集第三弾の発刊だ。前回が青森美術館に特化した内容だったが、今回は2005年、青森美術館の竣工から始まり震災を経て2014年までの作品が並ぶ。これまでテキストはバイリンガル、写真はすべてオールカラーだったが、今回は日本語のみ、写真はすべてモノクロだ。おそらく震災を経験したことが影響したのだろうか。質素な、というよりは実直な物言いを選択した結果だろう、生々しい。2011年の問題は未解決な上に、さらなる大惨事を発生させかねない可能性を隠したまま、東京・日本は2020年に向けてひた走る。災害は起きるものという前提を建築家たちは本当に飲み込めているのだろうか。