インタビュー

退廃的な官能性湛えたエレポップで魅了するニューカマー、VANIRUがメジャー初ミニ・アルバム『ISOLΛTION』を語る

退廃的な官能性湛えたエレポップで魅了するニューカマー、VANIRUがメジャー初ミニ・アルバム『ISOLΛTION』を語る

 【Click here for English translation of article】

 フロントに立つLEONEILのミステリアスなルックスによく似合う、退廃的な官能性を湛えたエレポップで聴き手を魅了するニューカマーの登場だ。VANIRUとは、そもそもはLEONEILが音楽活動を行うために名付けられた〈場所〉の名称。その発端について彼はこう語る。

 「〈ステージで表現したい〉というのがまずあって。音楽は、己のなかで眠っている感情を爆発させるために必要な起爆剤だったってところ。だから、音楽は自身でもある」(LEONEIL:以下同)。

VANIRU ISOLΛTION CJビクター(2016)

 その後、ギタリストのYUTOが合流して現体制に。2013年からはライヴ活動と並行してリリースを重ねてきた彼らが、新たなミニ・アルバム『ISOLΛTION』を完成させた。直近のシングル“DEAD OR DANCE”ではニュー・オーダー“Blue Monday”のカヴァーも披露していた2人だが、本作ではCube JuiceMIYO-KENらをアレンジャーに迎え、〈踊るか死ぬか〉を突き付けたその先を示すような、オリジナル・ニューウェイヴの匂いとモダンな意匠が同居したダンス・ポップを提示している。

 「“ISOLΛTION”に関しては、前に、彼(YUTO)からちょっとしたギターのフレーズと音色みたいなものをもらって。正直、そのときは特に何も感じなかったんですけど、ふとその曲が急に輝きを放った瞬間が生まれて……何かがガーッてリンクした……それは己だけじゃなくて、もっと大きなものとのリンク。いろんな生命を見ていて、〈この曲はいま歌うべきなんじゃいか〉っていうのがふっと降りてきて。この世で生きるということには必ず残酷さがあったり、誰でも孤独であったりとか、そういうことが真実としてあるわけで、だから、やっぱりずっと闘い続けていかなきゃいけないんだなっていう。ただそれはネガティヴな感じではなくて、もっと攻撃的なもの。〈生きる〉ということに向けた挑戦的な曲」。

 淫靡に挑発するシンセ・ポップ“ISOLΛTION”に続くのは、コズミックなニューロマ仕様の“Dreaming Crystal”。〈挑戦〉と〈救済〉にあたるこの2曲は「ふたつでひとつ」だとLEONEILは言う。

 「生きていくというのは……つらくても救いを求めて生きていくわけで。各々の救いを求めて……。けれども、まずは真実を知ってから、すべては始まるかなっていう」。

 本作の中核を担うその2曲のあとには、まさに次元を超えるかの如く中盤でガラリと場面転換するインスト“ANOTHER DIMENSION”を起点として、“コズミック・ナイト”“JUST YOUR DREAM”“LOVE AGAIN”といった過去の代表曲とも言えるナンバーの新ヴァージョンが並ぶ。ラストに厳かな余韻を残すYOW-ROWGALI)による“ISOLΛTION”のリミックスも含め、LEONEILのなかでの〈生きること〉と〈音楽〉の関係性はここからも見えてくる。

 「過去の曲たちは、まだまだ潜在しているものがあると思ったもの、生まれ変わるだろうと思えるものを入れていて。ちょっとした違いでどれだけ〈アナザー・ディメンション〉にいけるか。ただ、〈The Vortex〉という副題を付けた“ISOLΛTION”に関しては、その曲に旋風を巻き起こしてほしいという考えで、相当変えてもらっていて。音楽は多面的で、変化していくものだと思うんですよね。自分自身も生きていくなかで常に変わり続けてますけど、曲たちもやっぱり生きてますから、例えば同じように演奏し続けていたとしても、その曲の捉え方、聴こえ方が変わるときがくるわけで。……だから音楽をやってる」。

 常に変容し続ける自身と楽曲の在り様。だからこそVANIRUの詞世界は、残酷な現実を告げる強さとは対極的に、示される救いは夢のように儚いのかもしれない。そして、その刹那的な感覚は、ダンサブルな本作が孕むサウンド面の快楽にも通底するものだ。

 「うん、今回のアルバムはダンサブルと言えばダンサブル。ただ、単にボディーが揺れるだけのようなものではなくて。内面が、底が揺れる、そんな作品になったと思っています」。

 


VANIRU
LEONEIL(ヴォーカル)、YUTO(ギター)から成る2人組。ドイツを拠点に始動。2013年より活動が本格化し、オランダの〈AVO J-ROCK FESTIVAL〉、イギリスの〈HYPER JAPAN〉、マレーシアの〈J-Rock no Tamashii〉といった海外フェスへ出演したのち、日本でのライヴ活動も開始。同年12月にはファースト・シングル“Cosmic Night”をリリースし、初の企画イヴェント〈Tokyo Cosmic Night vol.01〉を開催。2015年は1月にフル・アルバム『MASQUERADE OF COSMIC』を発表し、3月の“LOVE AGAIN”、11月の“DEAD OR DANCE”と2枚のシングルを送り出す。このたびメジャーへ移籍し、ミニ・アルバム『ISOLΛTION』(CJビクター)をリリース。

 

関連アーティスト