独自路線こそ安定路線、毎度何が飛び出すかわからないワクワク感(って毎回言ってる気がする)を提供してくれるSatanicpornocultshopだが、ここ最近もすごい作品が追い付けないほどバンバン発表されているので、ここでまとめて紹介しよう。
まずは最新作『Mystic Island』から。こちらはチル&リゾート&エキゾ感を軸にしたラウンジーなアルバムだ。冒頭の“Vortex”がなかでもびっくりで、ファンキーなベース・ラインに砂漠のブルース調のトラックを声ネタ的に被せ、さらにスピリチュアル・ジャズでコーティングする……という常人じゃ思い浮かばないであろう展開に唖然。ハワイアンやブラジル音楽、さらにAORなどアーベインなテイストも盛り込みながら、決して簡単にはレイドバックさせてくれない感じがおもしろい。そして最後の最後にメイヤー某の歌声が夏ムード彩るアノ曲を大胆使用!
遡って、6月にリリースされた『Boneless EP』はロック! 昨年の『Brushed e.p.』で見せたガレージ・パンク~ハードコアに加え、90sのオルタナ/グランジもネタにした破壊力は抜群で、特に“Boneless”ではエディットによって増幅した重厚感がすごい。一方、このなかにあって異質な“The car that was waiting for me at the airport”は『Mystic Island』への布石のような……。個人的には汗かきの人の曲が好き。
さらに『Boneless EP』の流れで聴ける『Bloodless e.p.』は、USのサイドウェイズ・ファンクというレーベルから。ローファイ感のあるループからハードコアを繋げる強烈な“Brown Sugar”やCLの同名曲をサンプリングした“Dr. Pepper”、声ネタで埋め尽くされた“Bloodless”など、どれもカッコイイ!