ジュークと一言で言っても……を体現するかのように、日本産ジューク/フットワークを支える面々がまったくカラーの異なる作品を相次いでリリースしたので、ここでまとめて紹介しよう。

まずはMikikiの連載でもお馴染みのD.J.FulltonoCRZKNYとタッグを組んだユニット=Theater 1の『2/12』。先立って発表された初音源『1/12』の続き(全部で12作品あるということ?)ということで、前作のミニマル感を引き継ぎつつ、今回はより硬質なビートを刻むミニマル・テック・ジューク作に。硬い! ジュークの進化形を探る実験シリーズといった意味合いなのか、『3/12』(勝手にタイトル付けてすみません)以降にも期待したい。

 

続いては、一筋縄では行かなすぎるサウンドで毎度楽しませてくれるお馴染みSatanicpornocultshopの『Faucet Zero』。今回はトラップがテーマになっている模様で、これまたエラくおもしろい作品に仕上がっている。トラップ×ジューク、実はサウンド的に結構近いんじゃないかとは思っていた両者だが、さまざまな+αも踏まえてここまで鮮やかに料理されてしまうと何も言えない。かなりカッコイイ。

 

そして最後のPaisley Parks『paizley packs』も斬新さ際立つ一作。なんだかスゴイ。ジュークの極致を見るような、一瞬PCが壊れたのかと思った〈一時停止〉スタイル&終わり方も最高な“Only 4 1 Night”、アーベインな渋さが堪らない名曲をオシャレにサンプリングしたトラックを(良い意味で)台無しにするウワモノ使いに驚く“Yokohama Bay Blues”と、いずれもグッとくる3曲入り。ちなみに“PP is Dead”の壮絶さも聴きものだ。

もはやジューク/フットワークをプログレスさせているのはシカゴじゃなくて日本なんじゃないかと本気で思う今日この頃。