前作『空~kara~』と対を成す新作は、語るともなく発する呟きを曲間の随所に配した構成とも相まって、彼の心の中に踏み入るかのよう。今回も全編を手掛けたKensyu“Bigo”Kobayashiのトラックもまた、繊細な手捌きで灰色にそっと寄り添う。〈生〉を描いた前作と打って変わった〈死〉がテーマのアルバムともいえるが、紆余曲折を経た末にラストの“其処が絶頂”で愛へと辿り着く姿がいまの彼にダブり、心に温かい。