ベーシック・チャンネルのマーク・エルネストゥスは、近年ジェリ・ジェリというユニットでセネガルの音楽とダブの融合を図っていましたが、これはその発展系。ミニマリスティックにトランスしていくパーカッションと、それを溶解するダブ・サウンドが引き起こすマジックには目眩がします。ジェリ・ジェリの時よりダブとの邂逅が進んでいて、洗練された感じも窺える。エルネストゥスの果敢な挑戦が実を結んでいます。
2012年、セネガルの名だたるパーカッショニストと結成したユニット、ジュリ=ジュリによる来日&2枚のアルバムで注目を集め、その進化系として復活を遂げたドイツ人プロデューサー、マーク・エルネストゥスが、今年のフジロック参戦に続き満を持しての新作を発表。木の棒と素手で叩き分けるサバール・ドラムの明確で硬質な高音と柔らかな中低音のコントラスト、複雑なポリリズム、そしてエレクトロニクスが催眠的グルーヴを生み出し、セネガルの大衆音楽ンバラの代表的シンガーたちによる現れてはたち消える塩辛いヴォーカルによりずぶずぶと音の沼地へ引きずり込んで行く。