覚えている人はよく覚えている、98年に好盤『Crucial』を残したロンドンのシンガー、アリ。すっかり〈あの人は今〉状態かと思ったら、英国アーバン~ポップ界の裏方として大成功を収めていたのだ(近年だとネイザン・サイクス“Kiss Me Quick”を共作!)……ってところで、不意に登場した約20年ぶりのアルバム。ルーサー・ヴァンドロス風の軽やかな濃密さで迫る冒頭の“Superstar”(同名異曲)からもうヤバい。そこからジャヒームに化けて歌い込む表題曲、ジャクソンズ使いの“Don't Say”、R・ケリー調のステッパーズ“Switch”……と逸曲が目白押し。彼が表舞台を離れていた時期の王道R&Bを、ポップ職人ならではの経験値で再現したかのよう。2005年までのアーバン界隈を愛するすべての人に大推薦。最高!
アリ・テナント 『Get Loved』 王道R&Bを英国アーバン~ポップ職人ならではの経験値で再現した20年ぶり新作
Seven Lbs