1970年代、ユッスー・ンドゥールも後に在籍したスター・バンドのメンバーにより結成され当時人気だったキューバ音楽にセネガルの伝統を取り入れシーンの最先端にして頂点に昇り詰めたオーケストラ・バオバブ。87年の解散後、2002年に大復活を遂げ続く2作目も高い評価を得たもののあれから早10年。再びご隠居となった大ベテラン達が昨年この世を去った主要メンバー、ンジュガ・ジェンに捧げるべく感涙の再集結。バンド史上最もアフリカ的でありながら、かつて一世を風靡したキューバ要素も端々に滲ませアフリカ音楽史の深みを感じさせる。若手にはけっして真似出来ない芳醇なムードは円熟の極みである。