京都のインディー・シーンの顔役による、結成13年目にして初のフル・アルバム。オルタナ風味のギター・サウンドとポップなメロディーはいまも瑞々しさを感じさせつつ、井戸健人のイツキライカ名義での活動も踏まえた、ときにプログレ的とも言えるアンサンブルの構築には熟練の味わいがあり、その同居が実に理想的。90年代以降のUSと日本のインディー・ロックの流れを受け継ぎ、〈まだ転がるここから〉と未来も描き出す。