すべての夜を音楽という名の伝説に変える――10年前、そんな思いを胸にオープンし、違いのわかる大人たちの五感を刺激し続けてきたBillboard Live。ラグジュアリーな空間が届ける至福の時間はまだまだ終わらない……

 いつもより着飾って足を運びたくなる場所――Billboard Liveは良い意味でやや敷居の高いクラブ&レストランだ。東京・六本木と大阪・梅田という大都会の真ん中で、一流ミュージシャンのパフォーマンスを、美味しい料理やお酒と共に楽しむ。大人のためのライヴ・スポットがまだまだ足りない日本において、ここは特別な空間と言えるだろう。Billboard Live TOKYOのエントランスを抜け、スタッフにエスコートされながら階段を降りる瞬間、日常から少しだけ離れたラグジュアリーなひとときが始まる。ステージ後方のカーテンが開き、目の前に美しい夜景が飛び込んでくるたびに、得も言われぬ開放感を味わえる。きっとBillboard Live OSAKAも素敵な演出で、ゲストをもてなしてくれるに違いない。

STEELY DAN

 

THE STYLISTICS 写真/Yuma Totsuka

 

 そんなBillboard Liveがグランド・オープンから10周年を迎えた。最初にこの舞台に立ったのはスティーリー・ダン。それまでの日本公演がホール中心だった彼らの演奏をクラブ・サイズで観られるとして、当時大きな話題を集めたものだ。その後、ジャンルに偏りなく、国内外のさまざまなアーティストが連夜、音楽ファンの耳と目を喜ばせてきた。ちなみに、10年の歴史の中でステージ数がもっとも多いのは、いまやクリスマス・シーズンのBillboard Liveに欠かせない存在となったスタイリスティックス(その数227回!)で、ボビー・コールドウェル、ジョー、シャカタク、古内東子が彼らの後に続く。

SHUGGIE OTIS

DJ PREMIER 写真/Yuma Totsuka

CHRONIXX 写真/Masanori Naruse

 思い返すとシュギー・オーティスやピンク・マルティーニらヴェテランの初来日公演をはじめ、世界中で噂になっていたDJプレミアのバンド・セットによるツアーを日本でも実現させたほか、数々の伝説を残しているBillboard Live。例えばレゲエ周辺だと、往年のスターだけでなく、クロニクスやトーラス・ライリーといった現行ジャマイカ・シーンのトップランナーを招喚するなど、その時々のトレンドもしっかり伝えてくれるラインナップには唸らされるばかりだ。それは、80年代ファンク調のサウンドが人気を集める最中にキャメオやザップを、90年代R&Bのリヴァイヴァル気運が高まっていくタイミングでTLCやSWVを呼んだことも然り。旬を提供しようという姿勢も、Billboard Liveが支持されている大きな理由のひとつだと思う。

IZZY BIZU 写真/Yuma Totsuka

 今後も、DATSと向井太一によるコラボ・ライヴや、『In Visible Silence』のリリース30周年を記念したアート・オブ・ノイズのスペシャル公演、アース・ウィンド&ファイアの名曲で構成するアル・マッケイ・オールスターズに、デビュー20周年ツアーの一環として来日するエリカ・バドゥのほか、サウスサイド・ジョニーやスティーヴ・ルカサー、坂本冬美など、10thアニヴァーサリーに相応しい注目のショウが続々と控えている。また、過去に人気のあったオリジナル・カクテルも限定で復活したばかりなので、心地良い酔いに任せ、自分好みのサウンドを心ゆくまで堪能されてみてはいかがだろうか?

 


Billboard Live TOKYO
東京都港区赤坂9丁目7番4号
東京ミッドタウン ガーデンテラス4F
TEL:03-3405-1133

 


Billboard Live OSAKA
大阪市北区梅田2丁目2番22号
ハービスPLAZA ENT B2
TEL:06-6342-7722