この10年間、ナズとのコラボ盤『Distant Relatives』(2010年)やミック・ジャガーらと組んだスーパー・ヘヴィでの活動のほか、無数のフィーチャリング曲を世に送り出してきたダミアン“Jrゴング”マーリーだが、ソロ名義の新作としては『Welcome To Jamrock』以来12年ぶり。近年これほど待たれたレゲエ・アルバムもそうはないだろう。王道のルーツ・ロックからアーリー80s調のワン・ドロップ、モダン・ルーツやハードコアなダンスホール、ディスコ・レゲエまで、多種多様な要素を詰め込んだ構成が実に楽しく、どんなリディムも余裕綽々で乗りこなす主役のマイク捌きが絶品。コクとキレのあるトースティングは神懸かり的ですらあり、現在の彼がキャリアの絶頂期にあることを実感させられる。マーリー家の大看板を背負いながらも、プレッシャーなどどこ吹く風、堂々たる横綱相撲を見せた傑作だ。2017年のレゲエ部門におけるベスト・アルバム最有力候補!