素晴らしきかな、ランディ・ニューマン劇場。9年ぶりの新作は甘美な響きと不穏な空気が交錯するアメリカーナの一大絵巻となった。ミュージカル調“The Great Debate”など全編でストリングスを潤沢に配し、カリブ音楽のテイストも採り入れながらアイロニーとユーモアに満ちた物語を展開していく。泣けてしょうがないノスタルジックなバラードが多いのも最高だ。ライ・クーダーの嫉妬する顔が目に浮かぶ。