
共感するのはトーキング・ヘッズのグルーヴ
――ファースト・シングルの“safari”は、ちょっと毛色が違う曲ですね。ギター・サウンドも混沌としてて、エモーショナルな激しさがある。
「それまでに発表した曲が優しい感じの曲だけだったので、一度これまでの感じと違う、太い音の曲を出しておきたいと思って作ったんです。セカンド・シングルの“child”はいつも通りのバランス感で作ったんですけど」
――変化球的な曲なんですね。
「もうこういう曲は作れないかもしれない(笑)」
――そういう曲をファースト・シングルにしたのはどうして?
「単純にすごく好きな曲でもあるんですけど、先に“child”を出すと予定調和かな、って思ったんです」
――ちょっと驚かせようと。
「そうですね、その時はそう思ってたんですけど(笑)」
――CHIIOは中村さんのやりたい事を実現させるバンドともいえますが、バンドではなくソロ・ユニットとして活動することも考えたりしました?
「いや。やっぱり、バンドがやりたかったんです。例えばドラムの音にしても、打ち込みと生では全然違う。ドラマーが叩いた音で作ることが自分のなかでは大事なんです。その気持ちはこれからも変わらないと思いますね」
――生のドラムが生み出すグルーヴがCHIIOの重要な要素なんですね。
「かなり重要ですね。今回のアルバムの曲に関しては、それぞれノリが違うように作ったんです。いろんなタイプの曲を揃えるには、まずはそこから変えようと思って。ノリを別々にするとやっぱり印象が違ってきますからね」
――曲を書く時は、メロディーとリズムのどっちを先に作ることが多いですか。
「曲によって違いますが、ビートが先にくることが多いですね。あとは、同時期に作っていた曲のアイデアが合わさって出来ることもあります。例えば“march”はサビのメロディーとコード進行だけ先に頭にあって、(別の曲で)あるアイデアを試している時に、〈これを“march”のサビに当てはめてみたらおもしろそう〉という感じで出来たんです」
――グルーヴの面で刺激を受けたアーティストはいますか。
「CHIIOは結構、8ビートの曲が多いんですけど、8ビートの曲に関してはトーキング・ヘッズとかトム・トム・クラブですね。8ビートを中心にして、ギターとベースと歌で展開を作り上げる曲が多くて、そういうところは影響を受けているかもしれません」
――歌詞を書くのは好きなほうですか。それとも苦労します?
「どっちかというと苦しむほうです(笑)。歌詞で一番大事にしているのは語呂ですね。あとは、あんまり直接的なことをバシバシ言わない」
――確かにストーリーを語るタイプの歌詞ではないですね。今回の歌詞や曲名には青色のイメージが散りばめられていますが、中村さんの好きな色なんですか?
「そうです。青はなんか平熱っていう感じがして。ライヴをやる時も、赤い照明はナシにしてもらったりしています」
――ジャケットにも青色が入っていますが、このアートワークもCHIIOらしいですね。具体的なモノを見せるのではなく、デザインになっているところが。
「ずっとアートワークをやってもらっているデザイナーさんがいるんですけど、その方は僕たちの曲も、ライヴも観ているし、人間性も全部知っているので、こっちから何も言わなくても毎回〈これだ!〉っていう感じのものを仕上げてきてくれる。今回もアルバムにぴったりのデザインにしてくれました」

――黒を除いて4色がメンバーそれぞれのイメージを表しているようにも見えますね。だとしたら、中村さんはやっぱり青?
「そうなんですかね……」
――意外と赤だったりして(笑)。
「それはないですね(笑)。赤い色のものって何も持ってないかも。でも、バンド・カラーは間違いなく青だと思います」
Live Information
〈CHIIO "toc toc" release party〉
2017年10月15日(日)@東京・下北沢THREE
共演:ベランダ、ナツノムジナ
※チケット代フリー(別途2ドリンク代)、先行予約はオフィシャルサイトからの取り置きのみ
〈"toc toc" 発売記念ツアー "UTOPIA"〉
2017年11月23日(木・祝)栃木・宇都宮HELLO DOLLY
2017年12月10日(日)茨城・水戸Lights out lounge room
2018年1月20日(土)京都nano
2018年1月1日(日)愛知・名古屋spazio-rita
2018年2月10日(土)東京・渋谷O-nest
※各公演追加アクト有り(後日詳細発表)、全公演取り置きチケット予約受付中!
※2月10日(土)公演のみe+でもチケット購入可