空と海というシンプルな構図の中で無数のブルーが重なり溶け合い、陽のオレンジが境界線を滲ませる。見るものの想像力を湧き上がらせるこの無限の色彩はまさに本作の主人公ルイス・レイチのギターと小編成で奏でられる楽曲そのもの。リヴィア・ネストロフスキーやフェリーペ・コンティネンティーノ等、リオやミナス各地から気鋭の若手が参加し、ブラジル伝統をジャズやクラシックの自由で優美な音楽世界の中で煌めかせる。とくに天上から流れてくるようなタチアナ・パーハのスキャットはあまりに美しい。アートワークを手掛けるブエノスアイレスの写真家マリア・ビルバもチェックしてほしい。