カルト的な人気を誇るアメリカはボルチモアのシンセ・ポップ・バンド、フューチャー・アイランズが12月19日(火)に東京・渋谷WWW Xにて一夜限りの特別来日公演を行う。サポート・アクトにはダスティン・ウォン&嶺川貴子が決定し、来日を目前にさら注目度が高まっている同イヴェント(公演前日12月18日には、タワーレコード渋谷店にて特別サイン会も開催決定!)。その観どころや、ライヴに期待したいポイントをご紹介したい。

フューチャー・アイランズはイギリスの名門インディー・レーベル、4ADから2014年にリリースした傑作『Singles』で世界的な評価を得たバンドだ。特に話題となったのは、同作収録曲“Seasons (Waiting On You)”をテレビ番組「デヴィッド・レターマン・ショー」で披露した際のパフォーマンス。ファンの間では既に語り草となっている、伝説的な映像だ。

ときに自身の胸を拳で叩き、ときにデス・ヴォイスで叫び、ハンドマイク1本で観客ひとりひとりに強く訴えかけるように歌う……なにより強烈なのは、一度観たら忘れられない独特なその動き(ダンス?)。ヴォーカリスト、サミュエル・T・ヘリングの胸に迫るパフォーマンスは、一夜にしてリスナーの心を鷲掴みにした(その特徴的な動きはインターネット・ミームにもなった)。来日公演では“Seasons (Waiting On You)”のパワフルなパフォーマンスにも期待せざるをえない。

しかし、フューチャー・アイランズの魅力はそれだけではない。作品の完成度の高さや緻密に作り上げられた楽曲、どこかノスタルジックなポスト・パンク・サウンドもバンドが支持される理由のひとつだ(仲真史氏いわく「ブルース・スプリングスティーンの魂が乗り移ったデヴィッド・ボウイがニュー・オーダーをバックに唄ったかのようなサウンド、そして顔はほぼロビン・ウィリアムズ」)。特に、バンドの〈アツさ〉を封じ込め、若干テンポを落としたアトモスフェリックな楽曲の良さといったら! なかでも、2011年作『On The Water』に収録された“Where I Found You”は、ブレイク前の楽曲ということもあり言及されることは少ないが、隠れた名曲として推したい。

そして、最新アルバム『The Far Field』は、先の〈作品の完成度と楽曲の緻密さ〉をさらに推し進めた勝負作。その方向性は、グラミー賞を受賞したセイント・ヴィンセントのアルバム『St. Vincent』などで知られるプロデューサー、ジョン・コングルトンを制作に迎えたことにでも明らかで、管楽器の導入やデボラ・ハリーとのデュエットなど、いくつもの新機軸を見ることができた。では、『The Far Field』からライヴ映像をフィーチャーした“Beauty Of The Road”のミュージック・ビデオを観てみよう。

この〈泣き〉のメロディー! 目前に迫る来日公演では、泣き踊り間違いなしのダンス・ナンバーはもちろん、『Singles』収録の“A Song For Our Grandfathers”や新作からの“Candles”といった、センチメンタルで抑制のきいたスロウなムードの楽曲がどのようにステージで披露されるのかも楽しみだ。

 


LIVE INFORMATION
2017年12月19日(火) 東京・渋谷 WWW X 
共演:ダスティン・ウォン&嶺川貴子
開場/開演:18:30/19:30
チケット:前売り 6,300円(ドリンク代別)
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※12月18日(月)には、タワーレコード渋谷店にて特別サイン会も開催決定!
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