4AD移籍作となる『Singles』を機に知名度を上げ、クラムス・カジノ作品にも招かれたボルティモアの電気ポップ・トリオ。この新作では持ち前の80sライクなシンセ音はそのままに、初めて生ドラムを導入した結果、壮大な音風景を描くことに成功している。管弦楽器をラグジュアリーに響かせたり、デボラ・ハリーと共演したり、気合いの入った内容だけど、エモすぎるオッサン声がまったく垢抜けていなくて微笑ましいな。