カナダ発の新世代インストゥルメンタル・バンド、バッドバッドノットグッド(以下BBNG)がニュー・アルバム『IV』を7月8日にリリースする。同作より“Time Moves Slow”と“Speaking Gently”の2曲が公開中だ。
カニエ・ウェストやジェイムズ・ブレイクらのカヴァーや、オッド・フューチャー勢との共演などを通じて注目を集めたBBNG。2014年発表の前作『III』は日本でも話題となり、同年の初来日公演で披露されたパンキッシュな演奏はニュー・ヒーローの誕生を予感させた。その翌年にはゴーストフェイス・キラーとのコラボ作『Sour Soul』をリリース。今年に入ってサックス奏者のリーランド・ウィッティが正式加入し、4人体制となった彼らは、近年のトピックである〈ジャズ×ヒップホップの蜜月〉を象徴するバンドだと言える。
ゼイン・ロウが司会を務めるBeats 1 Radioの番組で先行公開された“Time Moves Slow”では、フューチャー・アイランドのサム・ヘリングをフィーチャー。ダンディーな歌声を活かした不穏なジャズ・ファンクがすこぶる格好良い。フューチャー・アイランドといえば、Pitchforkが2014年の年間ベスト・トラック1位に選出した名曲“Seasons (Waiting on You)”をBBNGがリミックスし、ライヴでも共演するなど両者の縁は深い。BBNGの持ち味である、スモーキーで危うい曲調は“Speaking Gently”にも受け継がれており、サイケデリックなオルガンを基調としたプログレ風の展開には興奮せずにいられない。
『IV』には他にも、盟友のケイトラナダ(彼のファースト・アルバム『99.9%』にはBBNGも参加)や、アーケイド・ファイアとの共演でも知られるサックス奏者のコリン・ステットソンらカナダ繋がりの奇才たちに加えて、シカゴの俊英ラッパーであるミック・ジェンキンスなどがゲスト参加。本格ブレイクを後押しする一枚となりそうだ。