ゲストの名前を見てはっと手が止まった。只者ではない。しかもご贔屓のアラン・ジャン・マリーがいる。楽器の構成が〈音楽と対峙する〉考え方に基づいており、彼女の真摯な姿勢が伝わる。“Left Alone”もパリ音楽院教授グレン・フェリス(トロンボーン)との対話。どの曲も多くの名演が記憶されるジャズの回答集だ。聴く者の回答数に応じて演奏が無限の可能性を応えてくる。中ではベルモンド参加で一風変わったアレンジが耳に留まる“Skylark”が気になった。2人ともソロが素晴らしい。ロマンティックな“アラバマに星墜ちて”は、ゲッツ~マリガン・ラインの響きが好きなウエストコースト系ファンにお薦め。